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[012]
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続・突撃!眼症入院レポート!
. Dr.Tajiri's comment . .
. このレポートを書いてくれたのは、愛知県在住のニックネーム「ゆかちん」さんです。
入院したのは東京都の甲状腺眼症の専門眼科病院です。
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経過 前回の入院から今回の入院まで
11月20日月曜日
  • 本来ならば一ヶ月間で減圧手術と必要であれば瞼の手術や筋肉の手術をします。
  • 私は減圧手術の後一度退院し、経過を診ました。
  • 4月に手術をし、6月、9月と院長先生の診察を受けました。9月に「やはり瞼のつり上がりがキツイので手術をしましょう、それと少しダブっているようだから、筋肉の手術もしましょう」と、院長先生に言われました。
  • 9月の診察の後で入院申し込み書を提出してきました。今回は急を要していなかったので、自分の都合で11月10日以降で希望を出しました。
  • 入院の申し込みをした後、希望日近くになると「○月○日から入院できますがいいですか?」という確認のハガキが着きます。うちには、11月の15日頃(一週間前くらい)届いたと思います。もしも都合が悪ければまたその時点で入院日の変更が出来るようです。
  • そのハガキを返信した後で、入院するまでに一度眼科病院まで行って入院するための検診を受けなければいけません。私は今回も遠隔地と言う事で、いつも行っている内科の病院での検査にしていただけました。遠隔地の人は、ハガキを出した後で一度電話で問い合わせてみるべきです。レントゲンは自分で持っていきました。血液検査の結果は内科から自宅に送ってもらい、眼科病院に提出しました。
11月20日月曜日  
  ハガキには10時半までに来て下さい。と書いてあった。でも、コーヒー屋やコンビニにも寄ってしまって、受付に着いたら11時ちょいまえだった。別に怒られなかったよ。
入院の初日はこれで3回目の体験なんだけれど、部屋に案内され部屋に入るたびに毎回緊張します。今回は前回と同じ部屋。でもでも!真ん中のベッド!ガックリ。窓際が良かったなあ〜〜。一度ベッドが決まると途中で窓際のベッドが空いても移動はしてもらえません。窓際はどこのベッドよりも専有面積が広いし、片側にしか人がいない分ストレス度も低い。出窓の部分に荷物が置けるし、明るいし…と良いことづくしなのです。柄にもなく社交的な態度で「窓際を狙っていたんですけど〜〜真ん中しか空いていなかったですね〜〜!」と、同じ今日から入院の人と話していたら、私の隣の廊下側の人が「大丈夫だって!みんないい人だから〜〜ベッドなんて何処だって〜〜!!」と。そういう問題じゃないんだけど…。

この日はいつも通りの視力検査や、編み目の検査、金魚の検査、目の中の写真、看護婦さんの問診とアレルギー検査、と、結構忙しい。アレルギー検査のアルコールの消毒で皮膚が赤くなってしまった。「マイナスではなくプラスマイナスゼロにしておきます」と言われた。今回も足が萎えないように、夕食後などに階段を上がり降りを何回も繰り返した。
月曜日は夜にI病院からきた内科の先生の診察があります。
11月21日火曜日  
  いつもの午前中の診察のほかに、水曜日に手術をする人だけは院長先生の診察がある。私は院長先生に「どちらの瞼からやりますか?」と聞かれた。が、どう答えたらいいのか??当惑して黙っていたら「じゃ、右からにしようか!」と。そして右目の上瞼を人差し指と親指でつまんで脂肪の量を確認(?)していた。瞼をつままれているときに、前回の診察の時のように「綺麗になるからね(ニコ!)」は今回はなかった(笑)。

私と同じ日に入院したKさんは2000年のお正月に動悸がひどくて内科を受診しバセドウ病がわかった。その後ダブリが急激に進行したらしいのだが、近所の眼科で「乱視です。」と言われ続けてメガネを3個も作り直したという、、。ある朝、鏡を見ると自分の顔が真ん中(真ん前)と下方に別れて二つあり、ビックリしてG大学病院に行って、そこから原宿眼科を紹介されたそうです。私と同じTK病院でリニアック治療を2000年7月に入院して受けており、その際に同じ病気の人と初めて知り合いになって、「それまでは、なんで自分ばっかこんな目に合うんやろ〜〜言って、泣いてばっかおったでしょ〜〜、でもその病院でその人に会えて、いろいろ話せて、どんなに救われたか、わっかれせん!」その話を聞いて、ああ、みんな同じだなあ、最初はどうして?どうして?って思うよなあ…と、自分自身の過去を思い出してグッときた。リニアック治療をする前からもうかれこれ7ヶ月間、片目に眼帯をしたままだそうだ(両目で見るとダブるのでよけい見づらいらしい)。Kさんはその日初めて会う院長先生に、アレも聞こう、コレも聞こう!と勇んで診察に臨んだそうだが、「ま〜〜院長先生にぃ〜〜「Kさん、必ず良くなるからね、一つに見えるようになるからね、心配しないでね(ニコ!)」って言われたら、ま〜〜なんにもきけ〜せんがね〜〜」と、笑って言っていた(笑)。

手術の前日なので夜に肩に止血の注射を一本する。よく揉まないと後まで痛むのでよく揉んでおいた。
11月22日水曜日  
  とうとう手術日がきたか〜〜〜〜…。同室の三人が既に先週に瞼の手術をした人だったので、いろいろと話を聞いてかなり耳年増状態になって安心することはできた。が、怖いモンは怖い。

瞼と筋肉の手術の後は一週間近く髪が洗えないので、看護婦さんに頼んで時間外だが午後2時前にシャワーを浴びさせてもらった(シャワーは午後2時から9時まで)。ゴッシゴシに3回洗った。

手術の順番は前日の夜までに決まるみたいで、Kさんは一番、私は3番(だか、4番)だった。

院長先生が午前中の診察を終えてお昼ご飯を食べて休憩してから手術が始まるので、診察時間のずれ込みなどからあまり正確な開始時間は決まらない。看護婦さんに聞いても「だいたい○時くらい」と言われる。

手術の始まる前30分くらいになると、もう一本腕に注射をする。それは精神を安定させる注射らしい。

Kさんが帰ってきた。次の人が帰ってきたらもう私だ。注射をされた。
自分が呼ばれた時は自分では「まだまともだ(注射が効いてきてない)」と思っていたが、本当はもう既に効き始めていたらしく、今考えるとその時の記憶があまり定かではない。

看護婦さんと一緒にナースセンターの前まで歩いていき、スリッパを脱いでストレッチャーに乗った。点滴をされた。髪が長い人は両耳の後ろで三つ編みにするべきです。真ん中で縛ると枕と頭の間で髪が重なって痛い。バレッタなんて絶対にダメです!「手術の痛みよりもバレッタの歯が頭に当たってその方が痛かった」と、私の隣の女の子が言っていた(笑)。髪は全部三角巾の中に入れられる。

それから前回と同じ、地下の手術室までエレベーターに乗っていく。前回と同じくらいドキドキしている。そして、意識があるって事はさ〜〜目の前を通るメスや機械が見えるわけ〜〜〜やだよ〜〜〜〜って、同じ事をグルグルグルグル考えていた。

手術の目だけを出して顔は布で覆われた。「点眼麻酔です。ちょっとしみますよ」別にどうって事無い。メスなんかが見えたら怖くて目をつぶってしまうのではないか、とか、この後に及んでまたも?疑問が。しかし「じゃ、始めようかね」という院長先生のいつも通りの落ち着いた声、そしてその後の明るい光!何も見えなくなった!!点眼麻酔が効いて目が見えなくなったのか、手術用の照明が明るいから目がくらんで見えなくなったのか、その後ず〜〜っと手術中に見えた光景は、暗いところから明るいところに急に出てまぶしくて目をつぶった瞼の内側と同じ光景だった。目をつぶって明るい光源を見ているようだった。

「ちょっとチクっとしますよ」と、まず、眉毛の先端らへんに一本麻酔の注射。痛い。ちょっとじゃないよ〜。それを先生がグイッグイッと揉む。だんだんと歯科での麻酔と同じようにボ〜〜ンと腫れた感じがしてくる。その後同じ注射(だと思う)を2本、目の回りの他の場所にしたが、一本目ほど痛くはなかった。

自分の顔の目の回りで何かが起こっているんだけど、感覚は「ボヨ〜〜ン」としているだけ。引っ張られているのはわかる。瞼をめくっている?のかな。
先生が「ボソボソ!」看護婦さんが「ハイ」その繰り返しで、途中で肉の焼けるにおいがした。臭い。きっと脂肪をレーザーで焼いているんだな…。こんなに臭いのにどうして焼き肉屋はいい匂いなのかな、、とトンチンカンな事を自分の肉の焼ける臭いで連想した。退院したら焼き肉食べに行こうと思った。
まだ?まだ?いつ終わるのかな?ただただそれだけを念じていた。後から反省したのは、手術の間中「同じ姿勢でいなくちゃ」と肩をいからせていたこと。肩が凝った!もっと、リラックスして肩も緩めておけば良かった。後から目だけじゃなくて、腰や肩まで痛くなった(笑)。

臭い匂いの後、看護婦さんが「0.7グラムでした」と言うのが聞こえた。私の瞼から取った脂肪の重さって事?鳥もも肉に付いている黄色い脂肪がどれくらいで何グラムなのか想像する。

Kさんは「目の前を縫合の糸が見えたよ。縫い方まで見えたわさ〜〜」と言っていたが、私には見えなかった。ただ、縫われているな、という感覚はあった。

その後、つっぱっていた瞼が元に戻った。
手術は終わった。はぁ〜〜〜。

病室に戻ったら「いいよいいよ、寝ちゃってよ、点滴は見ていてあげるから!」と同室の人が言ってくれてとてもありがたかった。ヨロヨロとベッドに横になり、頼んで痛み止めをもらった。眼帯をされている右目の周りがガンガンする。肩をいからせていたせいか頭まで痛くなってきた。注射のせいで身体がフラフラしている割に痛みはひどい。
とにかく寝よう。

と、思って横になっていると、廊下側の人が「ガツッ!」と私のベッドに当たって、自分の折り畳みイスを「ガシャガシャッ!」と取り出し、「ドシンッ!」と座った。
たまらん。
しかし、これは序章だった。

いつの間にか寝ていたら知らないうちに点滴が取られていた。夕御飯もベッドの脇まで来ていた。とりあえず食べよう。静かにしていれば目の回りに鈍痛がするだけだが、眼帯がない左目で見ようとしてムリに目を真ん中以外の所に持っていくと、右目が連動して、瞼の傷を目がこするせい?か、「ヒッ!」と声が出るくらいの痛み。

なるべくまっすぐだけを見るようにする。
食べて寝た。トイレ以外はぐっすり寝られた。
11月23日木曜日  
  普通なら続けて二日間で両目の手術を(筋肉でも瞼でも)やってしまうのだが、私達は祝日だったので一日延期。手術は金曜日。二日続けてでなくてラッキーだったと思う。「養生日だね!」とKさんと言っていた。診察は手術をした人は院長先生の診察だった。眼帯をとって先生は「お〜〜〜〜!見事に腫れているね〜〜!」と褒めてくれた(笑)。眼帯をはずしているのは診察の間だけなので、鏡で自分で見られないのが残念。でも、怖くて目の周りを触る事もできない。

未だ眼帯ははずしてもらえない。
診察の後、点滴があった。抗生剤とステロイド入りらしい。
夜にはまた、止血の注射がある。
11月24日金曜日  
 

また、今日も手術か〜〜…。と気が重い。
今日の手術は私とKさんの二人だけ。Kさんが一番、私が二番。
前回と同じように手術室まで至る。
手術も始まる。

肉の焼ける匂いの途中で「熱いっ!」と感じた。麻酔が切れてきたらしく「先生…熱いです…」と言うと、また、麻酔をしてくれた。右目の時と焼いている部分が違うと感じる。右目の時はこんなにこめかみ近くを何回も何回もめくったりはしなかった。やはり片目ずつ脂肪の付いている場所が違うんだな…。脂肪の量は「また0.7グラムでした」と看護婦さんの声がした。

右目の時よりも痛みが少ない(ような気がする)。きっと、最後の麻酔が効いているのだろう。部屋に戻って痛み止めをもらった。前回と同じく知らないうちに眠っていたらしく、また、点滴が知らないうちに取れていた(お部屋の皆さん、どうもありがとう〜〜)。

右も左もどちらも腫れているのだが、両目をふさいでは不便なので右目の眼帯をはずされた(いつはずされたのかは忘れた、、確か、、左目の手術前だったような気がする)。

夕御飯の後、トイレにいくついでに鏡で初めて見る自分の顔。右目。お〜〜〜〜〜凄い!目の回り、目のくぼみは全部赤黒い、そして、目の中の白目がない!全部真っ赤!
これは凄い。
写真に取っておくべきだな。
そう思って、従姉妹にカメラを持ってきてもらうことにした。

11月25日土曜日  
  いつもの診察の他に昨日手術をした私とKさんだけは院長先生の診察があった。
先生は私の顔を見てまたも「お〜〜見事に腫れているね!」と褒めてくれた、「パンダです」と返答しておいた(笑)。
診察の後、また点滴があった。抗生剤とステロイド。

そして。
この夜は最悪だった。
隣の人の出す物音のせいで「一睡も」出来なかった。
なんてことだ…。朝だよ…。
イライラしていた私はついついKさんに愚痴ってしまった。が、Kさんも「私もおこされとったがね〜」だった(笑)。

皆さん。
手術後の人は音にも過敏になっています。気をつけてあげてね。
11月26日日曜日  
  日曜日はなんとなくのんびりしている。いつもどおり診察があるが、それ以外には検査などがないので、なんとなく「仕事の少ない日」のような感覚。面会時間が平日とは違うので昼過ぎからパジャマではない人が出入りしていて、ロビーもなんとなく落ち着かない。
11月27日月曜日  
  また一週間が始まった。今週は筋肉の手術か〜〜…と、また、なんとなく重い気持ちを持つ。いつも通りの診察。手術をした左目の眼帯をとうとうはずしてもらえたのでとても見やすくなった。今日はもう点滴はないかと思ったが、診察で先生が私の顔のあまりの腫れを見て?「もう一日点滴しましょう」と決めた。点滴に繋がってトイレまで移動するときに、今日から入院の白内障の手術のお年寄りさん達の診察待ちの前を通ったのだが、私の顔を見て、全員が一瞬「お!」という顔をした。かなりの重症だと思われたらしい(笑)。部屋を出てから戻るまで、一挙手一投足(?)を見られた(笑)。でも私も最初の入院の時にそうだった。カッキーは今の私と同じ状態(顔)だったが、私はカッキーの事を「すごい重病人!」だと思った。でも、当事者になってみると、顔中青タンだらけのこの時は「喉元過ぎれば熱さ忘れる」状態なの時なので、ヒョコヒョコと新聞を読みに行ったり、階段の上り下りをしたり、本を読んだりと、もう既に自分は「病人」だという意識はない。「青タン」だという意識がない。
11月28日火曜日  
  今日は火曜日なので院長先生の診察があった。今日はどちらの目から手術するのか、決める日。ところが院長先生は、今日の検査結果を見て「ダブリも良くなってきてるから、筋肉の手術は要らないね」!あまりにも急展開だったので驚いて気の利いた言葉も出なかった!「本当ですか?」というのが精一杯で、あとは「え〜〜うれしいです〜〜うれしいです〜〜」を連発していた(笑)。
水曜日に最初の予定なら筋肉の手術の前に手術台の上で抜糸だったが、いつもの診察で抜糸するらしい。そして、木曜日にも診察で抜糸して、金曜日には退院できる!

あと、一週間は入院生活だと思っていたのに、急に短くなって気が抜けた。
11月29日水曜日  
  診察だ。抜糸だ。いつもの目を診てもらう診察台に顎を乗せて、動かないように(逃げないように)後ろから看護婦さんに押さえてもらった。先生はピンセットと小さなハサミを持っている。点眼麻酔の後、瞼をめくって瞼の裏側の糸を切る。肉の間から所々出ている糸をピンセットでつまんで、つまんでおいたところをハサミで切る。説明は簡単だが、そのピンセットでつままれるのが、ひじょ〜〜に痛い。だって、瞼のウラの肉よ!!!で、また、先生がぁ、つまんだのを挟み損なって、ピチッ!と糸がピンセットからはずれたりする(!)。これもまた痛い。冗談みたいに痛い。つまんで切って、そして、糸を肉の間から抜き取る。それを繰り返し「終わりましたよ」と先生が言った。机の上を見ると、1〜2センチくらいの黒い糸が2〜3本散らばっていた。これが全部埋まっていたのか〜〜…。抜糸をする前とした後で、あまり目に変化を感じない。
う〜〜…ここまで書きました。
あともう片目も次の日に抜糸して、金曜日に退院しました。
退院後の予定と、その後の調子はまた、報告します。
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