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[016]
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甲状腺眼症との闘い
. Dr.Tajiri's comment . .
. このレポートを書いてくれたのは、愛知県在住のニックネーム「ゆかちん」さんです。
手術を受けたのは甲状腺眼症の専門眼科病院です。
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バセドウ眼症歴5年のゆかちんと言います。

今まで眼症の治療で3回入院しました。

入院するまでの初めての眼症の治療は、甲状腺の病院でステロイドの「パルス療法」。1〜2日おきに5回点滴をしました。

その治療で効果があまり見られなかったので、東京原宿にある全国でも唯一バセドウの眼症を専門に治療している病院に行きました。

その病院ではリニアック治療はしていないので、他の病院に行って通院でリニアックを受けました。

次ぎに、その眼科に入院し球後注射をしました。一日一回片目に注射を受けました。片目7本、両目で14本打ちました。その2週間の間に、点滴でもステロイドでの「パルス療法」もしました。
みるみるうちに目が引っ込んで、見た目が良くなりましたが、退院後3〜4ヶ月を過ぎたあたりで、また、目がでてきてしまいました。

そのうち、視界の中に、曇った部分が出始めました。
視界の中で、一カ所かまたは数カ所、ぼんやりとしていて、向こう側がみえません。新聞など細かい文字が並んでいるのを見ると、まるで、ペイズリーの模様のように見えました。
それは視神経に筋肉が当たって、視神経が傷ついている状態なのだそうです。
ほかっておくと、視神経がボロボロになってしまうそうです。

私は、両目ともにそうなってきて、不安でたまりませんでした。診察前の視力検査では、視力が落ちてないと言われるのですが、自分では、確実に毎日、毎日、見えなくなっていくのがわかりますので…。

ですので、その不安な気持ちを先生にきちんとうち明けました。
そうしましたら、全身麻酔の減圧手術は、順番では2ヶ月待たないと手術をしてはもらえなかったのですが、事態が緊迫していると判断され、すぐに入院の予定を入れてもらえて、手術をしてもらえました。

私はその2回目の入院の手術後、目がきっちりと閉じるようになり、生活するのはもちろん、睡眠をとることも楽になりました。
ただ、それまでは出ていなかった複視の症状が出るようになってしまいましたが。

そして、その後、3回目の入院で、瞼の引きつりを直す手術をしました。
それが終わって、ほぼ、目が出ていなかった時の私の顔になりました。
その時、複視の手術も一緒にする予定だったのですが、思ったよりも複視の症状が軽かったので、手術をせずに経過を診る、という形で、退院しました。

どの入院の時も、それぞれちょっとずつ違いますが、同じような症状の同じ病気の患者さんが必ずいます。
その方達と病気の事を遠慮なくお話出来ることが、大きな心の支えに今でもなっています。

何でも先生に言ってみませんか?
不安な気持ちや、どうしたら良いかわからない気持ちも全部、全部を先生に伝えてみてはどうでしょうか?
私は、見た目が変わっていき、外出もしたくない!というような、そんなブルーな気持ちであることまで、全部先生に伝えました。

3回目に一緒に入院していた方は、リニアック治療を半年前に終えて、今回複視の手術の入院だという事でした。
目は、片方の眼球が下方にあるので、その目をず〜っと眼帯で覆っていました。
手術で、眼球が元の位置に戻り、複視もかなり良くなったと言っていました。
それまでは、両目だと、何処を見ても二つに見えていたのが、まっすぐに顔をして、見えている範囲は一つになったそうです。
下はダブっているそうです。「例えば、ジャンバーのチャックをね、閉めようとすると、ダブっちゃうね」と言っていました。

こんなたくさん、書き込みをする私ですが、、、私も最初は勇気をだしてここに書き込みしました。
その時の私は、どうしたらいいかわからない、不安で不安で、毎日悲しい気持ちでいっぱいでした。

でも、ここに書き込みして、ここの皆さんに励ましてもらって、新幹線に乗って、東京の眼科に行くことが出来ました。
今は、痛かった事もわすれて、そして皆さんへの感謝は忘れず、元気に明るく暮らしています。

東京の眼科の先生は、前述の複視の患者さんに「安心して下さい、僕が治しますからね」と言って下さったそうです。

みなさんも、同じ言葉を先生から聞けるようにお祈りしています!!
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