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甲状腺検査及び治療に関する医療費の日米比較

日本の検査料はあくまでもその検査のみの検査料です。これに判断料や入院費が加算されれば当然、高くなります。日本とアメリカの大きな違いは医療費の格差だけでなく、アメリカは各医療機関で医療費が違うことです。日本の場合は医療保険制度のため一定の額が決められています。一概にどちらが良いかは言えませんが、日本の医師の評価は大変低く厚生省から見られています。だから、数でこなす医療しかできないわけです。俗に言う、3時間待ちの3分診療です。アメリカの医師は1日15人診れば十分食べていけます。そのかわり、予約制で患者は20分から30分は診察時間をとって診るようです。羨ましい限りです。日本も、この医療保険制度が出来た時代からすると、一部の人では十分に経済的にも余裕が出てきていますので、医療制度そのものの抜本的改革をしなければならない時期に来ていると思います。国がすべてを管理するのではなく、自由診療、民間の医療保険など別の選択枝も考慮すべきかもしれません。そうすると、医療機関同士の競争原理が働き、ひいては患者さんへのサービス向上に繋がると思うのですが。
【検査料日米比較】
検 査 米国[Gharib*1]
1993年
米国[Woeber*2]
1995年
米国[TFA*3]
1996年
日 本
現 在
T3     $43〜91 \1,900
T4 $24   $17〜29 \1,900
FT3       \2,500
FT4     $36〜41 \2,400
TSH $64   $43〜89 \1,900
超音波 $281 $400 $152〜454 \3,500
穿刺吸引細胞診 $270 $350 $500 \1,300
CT     $267〜588 \6,650+診断料\4,500
MRI     $796〜1357 \16,800+診断料\4,500
123-Iシンチ   $600 $354〜417 \11,767+診断料\3,750
99m-Tcシンチ     $162〜446 \14,090+診断料\3,750(5mCi投与時)
201-TIシンチ       ¥59,880+診断料\3,750(3mCi投与時)
診察料 $183     初診料\2,700
再診料\740(再診は特定疾患療養指導料\2,020加算)
治 療 米国[TFA*3]
1996年
日 本
現 在
甲状腺結節の手術 $4100〜8000
手術時間2時間+入院2日間
片葉\52,200
両葉\62,700
入院費用は含まない
甲状腺癌の手術 全摘$5350〜$18000
手術時間4時間+入院3日間
葉切\147,000
全摘または亜全摘\20,4000
(リンパ節郭清すると片側\40,000・両側\60,000加算)
入院費用は含まない
甲状腺癌の131-I治療 $1061〜3592
入院費用を含む
\132,300
入院費用は含まない
バセドウ病の手術   亜全摘\116,000
入院費用は含まない
バセドウ病の131-I治療 $417〜560 \6,300〜\18,900(投与量が多いともう少し高い)
入院費用は含まない
*1 Gharib H et al. Ann Intern Med 1993; 118: 282-289
*2 Woeber KA. Surg Clin North Am1995; 75: 357-363
*3 Wood LC et al. In Your Thyroid 3rd edition, 1996, Ballantine Book Trade; TFA(Thyroid Foundation of America)
※現在、$1.0は\130〜140のレートである。
具体的な入院費などについては野口病院のホームページに紹介されています。

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