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甲状腺機能障害はどの年齢でも起こり得ますが、甲状腺機能亢進症は20歳から40歳の間に起こることが多いと考えられています。しかし、最近の研究で高齢者にも多いことがわかりました。それに対して、甲状腺機能低下症はもっと年齢が高くなってから起こる傾向があります。50歳までに、女性の10人に1人に甲状腺機能不全の証拠である高TSHレベルがあります。多くは、
"不顕性"または非常に軽いために何の症状もないものです。しかし、医師の間では軽度の甲状腺機能低下症であっても、見逃されている些細な症状があるということで意見が一致しています。50歳以上の女性と60歳以上の男性全員に、スクリーニングTSH検査を行うのは理にかなっていると思われます。その時点で約9%に高TSHレベルが見られます。 |
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甲状腺機能障害は、男性に比べ女性の方に少なくとも5倍多く見られます。そのため、あなたに症状があり、女性であれば、医師は甲状腺の病気を考え、検査を勧める可能性が高くなります。 |
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今までは、過去に活発すぎる甲状腺になり、薬や放射性ヨード、または手術によって治ったのであれば、そのまま健康な状態が続くと考えられていました。でも、そうではありません。したがって、過去に活発すぎる甲状腺になったことがある場合は、ずっと後になってから甲状腺の働きが衰えてくる可能性があります。同じ理由から、甲状腺機能低下症で甲状腺ホルモン剤を飲んでいる人は、薬の量が正しいかどうかを見るため、定期的にTSH検査を受けることが必要です。あなたがどこも悪く感じなければ、主治医は年1回のTSH検査で十分だと判断するでしょう。 |
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妊娠すると、体が必要とする甲状腺ホルモンの量が増えます。したがって、甲状腺ホルモン剤の投与を受けている人には、医師が甲状腺機能をチェックするためにTSH検査を行うようにすることがあります。また、出産後何ヶ月かは甲状腺機能に変化が起こり得る重要な時期でもあります。アメリカでは、若い母親は20人に1人の割合で、出産後最初の数ヶ月に甲状腺機能の変化を経験しています。新生児と家にいればたくさんのことが次々に起こるため、新しい症状が甲状腺機能の変化によるものだとは思いもしない可能性がある時期でもあります。甲状腺に問題があるかどうかはTSH検査でわかります。甲状腺の病気や関連疾患(下を参照)の家族歴のある母親は、ここに挙げた問題が生じるリスクが高くなります。主治医はこのような家族の病気を知らない場合があるため、必要な家族歴の情報を提供し、医師の診断に役立てることができます。 |
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グレーブス病(バセドウ病)によって起こる甲状腺機能亢進症と慢性(橋本)甲状腺炎による甲状腺機能低下症は、どちらも自己免疫疾患の部類に入ります。ちょうど抗体が甲状腺を刺激して活動し過ぎるようにしたり、甲状腺の細胞を損傷して甲状腺の機能不全を起こすように、他の抗体が糖尿病や慢性関節リューマチ、悪性貧血、大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患、白斑症の皮膚の白い斑、まだらな毛髪の喪失(円形脱毛症として知られています)、および若白髪(30歳前に始まる白髪)などを起こすことがあります。あなた自身または近い親族に、これらの自己免疫疾患の一つがあれば、医師の注意を喚起するようにしてください。そのような病気は甲状腺の病気に罹るリスクも高めるため、主治医はこの情報により、あなたに甲状腺の症状が出たり、50歳以上であったり、妊娠したり、また最近子供を産んだ場合など、TSH検査の必要な時にもっと機敏に対処するようにするでしょう。 |
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他にも医師が甲状腺の機能障害を調べるため、TSH検査を行う場合があります。そのような特殊な状況についてはすべて医師がよく知っていると思われますが、自分自身の状況を適切に述べることで医師の診断の助けとなる場合があります。 |
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あなたが過去に胸腺肥大や頭皮の輪せん、にきび、または反復性扁桃腺炎などの治療目的で、頭部や頚部にX線照射を受けた200万人近いアメリカ人の一人であれば、おそらく甲状腺機能低下症や甲状腺結節、さらには甲状腺癌を起こしてくる危険性があると思われます。甲状腺機能低下症があれば、TSHレベルの増加で診断を確かめるだけでなく、治療をしないでいれば、甲状腺結節や甲状腺腫になるリスクが高くなることがあります。もし、医師が過去のX線治療について知っていれば、おそらく1年に1回簡単なTSH検査を行うことで、甲状腺が正常な状態にあるかを確かめるようにするでしょう。もっと詳しい甲状腺の画像診断や機能検査を行うかどうかは、受診時の医師の所見によって決まります。 |
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鉄(鉄剤の中に含まれている)やコレスチラミン(コレステロールを下げる薬)、およびサルファート(抗潰瘍剤)などを含むある種の薬が、甲状腺ホルモン錠の吸収を悪くすることがあります。したがって、甲状腺ホルモン錠を飲んでいて、このような薬も飲む必要がある場合、少なくとも4時間から6時間間をあけて別々に飲むようにしてください。ここでも医師はTSH検査をして、そのレベルが正常かどうか確かめるようにするでしょう。その他にも甲状腺の機能を悪くするような薬があります。これには、うつ病の治療に使われるリチウムや皮膚の感染症や膣洗浄に使われるベタジン、そして心臓のリズムの異常の治療に最近使われることが多くなった心臓病薬のアミオダロンなどのヨードを含む薬があります。ヨードはケルプ(昆布の一種)、ダルス(紅藻の一種)や他の海草にも見出されます。 |