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ヨードは甲状腺が正しく機能するために欠かせないものです。食餌の中に含まれるヨードが少ないと、甲状腺の病気(甲状腺腫または甲状腺機能低下症を含む)が起こることがあります。世界の多くの地域では、ヨード欠乏が主要な公衆衛生上の問題でありますが、アメリカ合衆国ではヨード化塩やパンなどの食物中にヨード添加がなされているため、このような問題はなかったのです。
ジョージア州アトランタの疾病管理センターおよびマサチュウセッツ州ボストンのブリガム女性病院のJ.G. Hollowell医師等は、アメリカの男性と女性のヨード摂取量(尿中のヨード排泄量で測定)が1974年から1994年までに平均50%減少していることを報告しています。ヨード摂取量が低い集団の割合は、2.4%から11.7%に増加しており、妊娠中の女性では、ヨード摂取量の低い人が1.0%から7.0%に増加しています。
アメリカ合衆国でのヨード摂取量低下の理由は、ミルクの中に含まれるヨードが少ないことと、パン製品のヨード添加がなくなったことによるものと思われます。一方、ヨードの全体的なレベルはまだ許容される範囲にありますが、これ以上のヨード摂取量の減少がないか集団を密に監視していくことが重要でしょう。 |
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