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自己免疫性疾患の基本的な定義は、自己免疫反応により引き起こされる病気ということです。すなわち、免疫反応が患者の体の何かに向かって起こるということです。体の器官(脳や皮膚、腎臓、肺、肝臓、心臓、そしてもちろん甲状腺も含む)のいずれも自己免疫によって冒されうるため、病気の臨床症状は冒された部位によって異なります。高度に分業化された医療システムでは、自己免疫性疾患に罹っている患者が事実上、どのような専門医によっても治療を受ける可能性があります。
長年の間、常識に外れているように見えたため、医学界の主流派は自己免疫の存在を疑っていました。なぜ侵入してきた細菌にではなく、自分自身に免疫反応を生じるのでしょうか。しかし、免疫反応が強力かつ複雑な生物学反応であることを認識すれば、時にその反応が意図どおりにならない場合もあるということを理解することができます。このように免疫系が意図どおりに働かないことが自己免疫性疾患の起こる理由です。時には自己免疫が病気を起こす原因となる場合もありますが、それ以外に何か他の原因で起きた病気が自己免疫により進行したり、あるいは悪化したりすることもあります。自己免疫反応があると血液中に自己抗体が現れます。そのため、ある特定の自己抗体の存在を証明するというのが自己免疫性疾患の確認のために普通に行われている方法です。 |
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