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あなたが甲状腺機能低下症で、TSHを正常に戻すため補充量のレボサイロキシン<注釈:日本ではチラージンS>を飲んでいるのであれば、骨密度に対する副作用はありません。もし、甲状腺腫や結節を小さくするため、あるいは良性または悪性の甲状腺腫組織を外科的に取り除いた後、残った甲状腺組織の成長を防ぐためにTSH抑制を起こすようわずかに高い投与量のレボサイロキシンを飲んでいるのであれば、骨密度が減少するリスクがあると思われます。まだ議論の余地があるのですが、甲状腺ホルモンの抑制量に伴う骨喪失は、特にエストロゲン補充のための薬を飲んでいない閉経後の女性で問題となるようです。
エストロゲンは骨密度が失われることを予防するようです。予備研究では、バイホスホネートもまた甲状腺ホルモンに関連した骨喪失を予防するのに使うことができます。フォサマックスは市販されるようになった最新のバイホスホネートで、この特異な製剤が甲状腺ホルモンに関連した骨喪失に及ぼす効果を調べた研究はないことも知っております。しかし、少なくともすでに研究されている古い形のバイホスホネートと同程度の効果があるであろうという推測がなされるでしょう。面白いことに、動物を使った研究では、カルシトニン療法で甲状腺ホルモンに関連した骨喪失を予防できないことが示唆されています。エストロゲンまたはフォサマックスに加え、適切な量のカルシウムとビタミンD、例えば1,000mgのカルシウムと綜合ビタミン剤<注釈:当然ビタミンDを含んでいる>を服用することが非常に大事です。 |
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