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[006]
先生に聞こう【Ask The Doctor】 Bridge; Volume 11, No2

13:骨喪失について

質 問 JP, フロリダ州ネープルス
私は54歳の女性で、甲状腺腫を小さくするためにシントロイドを5年間服用しています。私の主治医は今、骨喪失を防ぐためフォサマックスを飲むように言っております。私は女性ホルモン剤服用ができませんし、またスキャンでは骨喪失の徴候はありません。フォサマックスは甲状腺の病気の患者に予防薬として普通に出されるのでしょうか。

回 答
あなたが甲状腺機能低下症で、TSHを正常に戻すため補充量のレボサイロキシン<注釈:日本ではチラージンS>を飲んでいるのであれば、骨密度に対する副作用はありません。もし、甲状腺腫や結節を小さくするため、あるいは良性または悪性の甲状腺腫組織を外科的に取り除いた後、残った甲状腺組織の成長を防ぐためにTSH抑制を起こすようわずかに高い投与量のレボサイロキシンを飲んでいるのであれば、骨密度が減少するリスクがあると思われます。まだ議論の余地があるのですが、甲状腺ホルモンの抑制量に伴う骨喪失は、特にエストロゲン補充のための薬を飲んでいない閉経後の女性で問題となるようです。
エストロゲンは骨密度が失われることを予防するようです。予備研究では、バイホスホネートもまた甲状腺ホルモンに関連した骨喪失を予防するのに使うことができます。フォサマックスは市販されるようになった最新のバイホスホネートで、この特異な製剤が甲状腺ホルモンに関連した骨喪失に及ぼす効果を調べた研究はないことも知っております。しかし、少なくともすでに研究されている古い形のバイホスホネートと同程度の効果があるであろうという推測がなされるでしょう。面白いことに、動物を使った研究では、カルシトニン療法で甲状腺ホルモンに関連した骨喪失を予防できないことが示唆されています。エストロゲンまたはフォサマックスに加え、適切な量のカルシウムとビタミンD、例えば1,000mgのカルシウムと綜合ビタミン剤<注釈:当然ビタミンDを含んでいる>を服用することが非常に大事です。

Douglas S. Ross, M.D.は、ボストンのマサチューセッツ総合病院の副医院長であり、甲状腺科の医師です。
Douglas S. Ross医師が、甲状腺の病気や甲状腺の働きに関する読者の一般的なご質問にお答えします。しかし、患者さんの個人的問題についての細かいご質問にはお答えできかねます。個人的に甲状腺の問題についての助言が必要な方は、ご相談なされるようTFAがお近くの内分泌専門医の名前をお送りすることができます。お問い合わせは、ここボストンのTFAまでお手紙かお電話でなさってください。

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