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34
[006]
先生に聞こう【Ask The Doctor】 Bridge; Volume 14, No3

34:甲状腺腫の原因について

質 問
甲状腺腫ができる原因としてどのようなものが考えられますか?

回 答
甲状腺が大きくなる(甲状腺腫)原因にはいろいろあります。

地方病性甲状腺腫はヨード欠乏のために起こるものですが、アメリカでは見られません。

散発性甲状腺腫または結節性甲状腺腫は、一般的な甲状腺の肥大の原因です。これらの腺が成長するプロセスはよく分かっておりません。そして、この甲状腺腫の変化はびまん性または結節性のはずです。これらの甲状腺腫が成長するにつれ、甲状腺腫内に過剰な甲状腺ホルモンを分泌する領域(びまん性または結節性)ができる傾向があります。これらの甲状腺腫の多くて20%は中毒性、すなわち甲状腺機能亢進症を起こすに十分な量の甲状腺ホルモンを余分に作り出すようになります。一般的に、甲状腺機能亢進症の程度は非常に軽く、そのため患者は具合悪く感じません。しかし、中には甲状腺機能亢進症の症状のため、非常に具合が悪くなる患者もおります。

自己免疫性甲状腺疾患が原因で甲状腺腫ができることがよくあります。
慢性甲状腺炎はアメリカでは非常に多い病気ですが、びまん性甲状腺腫を伴うことが多く、それより少なくなりますが、結節性甲状腺腫ができることもあります。患者は最初、正常な甲状腺機能を持つ場合がありますが、最終的には甲状腺機能低下症になります。

バセドウ病は甲状腺機能亢進症を伴うびまん性甲状腺種です。

リンパ球性甲状腺炎(無痛性または産後甲状腺炎)には小さな甲状腺腫と一過性の甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症を伴うことがあります。

甲状腺の悪性腫瘍も普通、結節性甲状腺腫様の甲状腺肥大を伴います。甲状腺癌はまれであるため、甲状腺腫の評価は悪性であることを除外することに主眼がおかれています。

甲状腺の肥大には他にもたくさん原因があります。例えば、生合成の欠陥による先天性甲状腺腫、アミロイドーシスのような浸潤性疾患による甲状腺腫、そして甲状腺への他の癌の転移などです。

Douglas S. Ross, M.D.は、ボストンのマサチューセッツ総合病院の副医院長であり、甲状腺科の医師です。
Douglas S. Ross医師が、甲状腺の病気や甲状腺の働きに関する読者の一般的なご質問にお答えします。しかし、患者さんの個人的問題についての細かいご質問にはお答えできかねます。個人的に甲状腺の問題についての助言が必要な方は、ご相談なされるようTFAがお近くの内分泌専門医の名前をお送りすることができます。お問い合わせは、ここボストンのTFAまでお手紙かお電話でなさってください。

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