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医師に聞くべき6つの質問:その答えの解釈の仕方

RAI(アイソトープ治療)または甲状腺切除の後に甲状腺機能低下症になった場合、あるいは橋本甲状腺炎による甲状腺機能低下症と診断された場合、医師に聞くべき重要な質問とその結果をどのように理解するかについて、ある程度の情報をここに挙げてみます。

[1]検査を行っている検査センターの正常なTSHの範囲はどうなっていますか?
どれが正常かについては、検査センター毎に異なった値があります。例えば、私の主治医が使っている検査センターでは、正常範囲は5から0.5となっています。TSHが0.5以下であれば、甲状腺機能亢進とみなされ、THSが5を超えていれば甲状腺機能低下とみなされます。他の検査センターでは0.35から5、または0.6から5.2等を使っていることがありますが、あなたが検査をしてもらう検査センターの値を知ることが大切です。
[2]私自身のTSH目標値はどれくらいですか?
これは非常に難しいのですが、きわめて大事な質問です。主治医の答えは“正常”なTSHに関しての考え方を述べることになるでしょう。医師の中には正常範囲のいちばん上に持ってくることが第一の目的であり、そうする人もいます。したがって、例えば私の主治医は検査センターの検査値で5.5のTSHレベルを使いますが、その種の医師は治療の間ずっとそのあたりの値に持ってくるのがよい信じているのです。他の医師はあるTSHレベルが正常範囲内に収まっていることの方がもっと適切な目標だと信じています。例えば、私がかかっている内分泌病専門医は、TSHが“正常”範囲の上限よりはるかに低い1と2の間にまで下がらなければ、女性は気分がよいと感じない(そして体重も減らないか、他の甲状腺機能低下症の症状が消えない)と信じています(研究報告の中には、甲状腺の病気のない女性の平均TSH値は2であることを示したものがあります。したがって一部の女性は値が4か5では気分が悪いのです)。先生は正常範囲内でできるだけ女性の気分がよくなることを目指していますが、平均値からみて、正常範囲の上の方では女性の気分がよくならないので、少し低めをねらっています。
そして、最後にTSHとあなたの気分の両方を見て甲状腺の管理を行う方がよいと信じている医師がいます。このような医師は検査センターの検査値ではなく、あなた方患者側から治療する医師です。そのような医師はおそらくこう言うと思います。“まず、正常範囲にしてみましょう。それから気分がよくなるかどうか見て、その上で薬の量を決めることにしましょう”
[3]どのような甲状腺ホルモン剤が私に処方されるのですか?
おそらくあなたは処方箋を読むことができないので、これは聞く必要があります。ここでの問題は、商標名か一般名かということと、もし商標名であれば、医師が“一般薬ではない”ものを指定したのかどうかということです。商標名のついた甲状腺ホルモン剤(例えば合成T4単剤ではレボキシル、レボトロイド、シントロイド、あるいはT3/T4合剤ではサイロラールとアーモールがあります)は信頼性が高いと考えられています。一般薬は効き目にむらがある可能性があり、新たな処方では避けるべきでしょう(もし一般薬を飲んでいて、気分がよい場合は心配いりません)。
[4]処方された薬の量からみて、どれくらいでTSHが正常に戻ると考えられますか?
ここであなたが知りたいことは、主治医が甲状腺ホルモン剤をほんのちょっぴり投与して、どうなるか時間をかけて見て行くつもりなのか、またはできるだけ早く正常範囲に戻そうとしているのかということだを思います。どちらのアプローチにも理由がありますが、それを知ることが大切です。医師の中にはわずかな量の薬を与えて2週間以内に気分がよくなると言う人がいます。2週間過ぎて、気分がよくならない時は、自分にどこか悪いところがあると考えるものです。やれやれ!私の主治医は中程度のレベルの薬を出し、こう言いました。「甲状腺機能低下になるのには少しばかり時間がかかっているのだから、正常に戻るのにも少し時間がかかりますよ」先生は甲状腺の薬を飲み始めてから大体4ヶ月くらいで正常な気分になると言いましたが、そのとおりでした。
[5]気分がよくなって、TSHが正常範囲になるまでどのくらいの頻度でTSHの検査をしなければなりませんか?
あなたが聞きたいことは、医師があなたのTSHレベルを正常範囲に持っていくことを目指しているかということです。これはおそらく、薬の量を合わせた後のフォローアップで気分がよくなり、TSHが正常になるまで、6から8週間毎にTSH検査のため病院に行く必要があることを意味しています。
TSHが正常範囲になった後で、必要な薬の量が変わっていないか確かめるためにどのくらいの頻度で再来すればいいのでしょうか。もし、医師が年1回以上といったら、不思議に思っていいのです。ほとんどの医師は最初の1〜2年は半年に1回、それ以後は年1回来るようにいうはずです。
[6]予約日が来る前に聞きたいことがあったら、どのようにして連絡をつけるのがいちばんよいのでしょうか?後で先生が自分で電話してくださるのでしょうか?それとも看護婦さんがそうするのでしょうか?先生は患者とやり取りできるEメールのアドレスを持っていらっしゃるのでしょうか?
ここでは、あなたの医師がどのような形で対応するつもりかを知ることができます。もし、あなたが他の医師を捜すことができるのであれば、ここでの反応が今の医師にかかり続けるか、それとも医師を変えるか決めるための参考になるでしょう。自分で電話をかけるようにしている医師もおりますし、Eメールで答えてくれる医師さえおります。他は、看護婦にすべて答えさせるようにするでしょう(いずれにせよ、看護婦の答えは医師と同じくらいか、もっとよい情報源となることが多いので、一部のケースのように無価値なものと決め付けないようにしてください)。しかし、もっと個人的に、情報を伝えてくれるようなサービスを望むのであれば、ここで医師が言うことを聞くようにしてください。そうすれば、何が期待できるかがわかるからです。

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