WITK |
どのようなタイプの甲状腺の病気に罹っているのですか? |
キム |
甲状腺機能低下症ですが、もっと具体的に言えば、橋本病です。これは私の甲状腺が不活発になっているということです。 |
WITK |
いつ、どのようにして最初の診断がくだされたのですか? |
キム |
そうですね。振り返ってみれば、私が1986年に最初の子供を産んでから間もなく甲状腺機能低下症の症状が出始めたのです。しかし、私は何年もの間、何度も誤診されたのです。血液検査を受けたとしても、“正常”という結果が戻ってくるようなものだったのです。 |
WITK |
どのような症状が出たのですか? |
キム |
ただ、大体いつもひどく疲れたように感じていました。いつも昼寝が必要だと感じていたのです。また、生理だったり、子供を産んだすぐ後に皆が時々感じるような風に、感情的になって
ただ“自分が自分でない”ように感じると人には説明しています。でも、家に子供と一緒にいると、新しく母親になったストレスから私の症状は来ているのだと思ったのです。 |
WITK |
そのような症状があなたのキャリアにどう影響しましたか? |
キム |
ええっと、もし私が撮影をしているとすれば、それしかできなかったんでしょうが、そのために自分をうんと奮い立たせなければならないし、その後2〜3日は疲れきってしまうという状態でした。続けて2つの仕事があるようならば、それでパニックに襲われたでしょう。旅行と時間の変化が大きな問題でした。 |
WITK |
それでは、診断がついてからどれくらいになるのですか? |
キム |
約2年です。私の息子は今12歳ですが、息子と私が2人とも甲状腺の病気であるという診断を受けたのが息子が10歳の時でした。私は実際に自分の健康について気にかかっていることがいくつかあり、その答えを求めていたのです。そしてその先生は私達が2人とも甲状腺の病気であることを見つけたのです。最後に、先生は血液検査には全然興味がなくて、実際には私と息子の甲状腺を超音波で調べたのです。 |
WITK |
診断を受けてからの最初の反応はどのようなものだったのですか?10年ぶりにやっと答えが見つかってわくわくしましたか? |
キム |
そうですね。“わくわく”したという言葉はちょっと使わないでしょうね。甲状腺の病気と言われたので、健康で、しかも健康に特に気をつけている人間として、私は病気があるということを考えるのがちょっと嫌でした。でも、やっと謎であったことの答えが見つかり、問題が解決できるという希望が持てたのは嬉しかったです。 |
WITK |
最初にそのことを誰に知らせたのですか? |
キム |
主人と家族、そして友人です。偶然にも、私の女友達に2人、甲状腺の病気に罹っている人がいたのです。 |
WITK |
甲状腺疾患についてもっと詳しいことを知るため、どこに行ったのですか? |
キム |
個人的には、いっぱい本を読みました。そして甲状腺財団もありますし。 |
WITK |
あなたと主治医はどうやって治療法を選んだのですか? |
キム |
私にとっては、それは本当に、私の体に合う薬の組み合わせを見つけ出すためのプロセスがずっと続いてきたのです。私が飲んでいる薬、それはT3とT4の甲状腺ホルモンの組み合わせですが、その再評価を継続して受けています。 |
WITK |
毎日その薬を飲む必要があるのですか? |
キム |
ええ、もちろんです。時には1日に3回飲むこともあります。そして、一生涯飲み続ける必要があるでしょうね。 |
WITK |
1日に3回は多いですね。薬をきちんと飲むようにするのは難しいだろうと思うのですが、特に子供では。あなたと息子さんには難しいことですか? |
キム |
そうでもありませんよ。ほとんどの人が朝起きた時にカフェインのことを考え、1杯目のコーヒーが欲しくなるように、目が覚めたら私は同じように甲状腺機能低下症の薬を飲む必要を感じるのです。 |
WITK |
薬を飲む以外に健康を保つために何かしているのですか?食餌や運動、睡眠をとるとか? |
キム |
私自身は大体において非常に健康的な人間です。走ることが大好きですし、栄養のことも勉強しています。かならず新鮮な野菜ジュースで1日をスタートさせるようにしています。それから、睡眠ですが、甲状腺機能低下症の人がとても上手にできることなので、私はいつも8時間か9時間は眠ります。でも、先生が言うことも聞きます。今年初めのことですが、私がかかっている先生の1人が、私は働き過ぎで、2ヶ月ほど休む必要があると言いました。先生は私の目をまっすぐ見つめて、止めるように言い、私に言うことをきかせたのです。この夏は運動して本当にゆっくりしました。 |
WITK |
7つのマラソン大会で走りましたね。他にも出る予定ですか? |
キム |
本当に走るのが好きなんです。でも重量挙げや自転車のクラスも楽しんでます。最後に出たマラソンは1992年のニューヨークマラソンです。3時間59分で走りましたが、4時間を切ったことがとても嬉しかったのです。でも、もうマラソンには出ません。甲状腺機能低下症のため、そのような激しい運動をすると副腎に無理させることになるし、体の調子が本当に狂ってしまうんです。マラソンの後、何日も筋肉がつるなんてものじゃなくなります。 |
WITK |
他のお子さんにも甲状腺の病気の症状がないか注意していらっしゃるのですか? |
キム |
ええ。一番上の息子もとても注意しています。最近、家に帰って知っている女の子の動きがのろいみたいだし、首のところに甲状腺腫(甲状腺が大きくなっていることが目に見える徴候)があるみたいと言いました。私は「それならその女の子に何か言ってあげなくちゃね」と言いました。 |
WITK |
他の人で甲状腺の病気について相談に来たことがありますか?あなたの女友達(甲状腺の病気に罹っている)とお互いに助け合うようにしているのですか? |
キム |
本当の意味では誰も何か詳しいことがわかるかと私のところに相談しに来たことはありません。それが『違いの分かる女性』で私が話すことに興味を持った理由です。そして、甲状腺財団にも連絡を取りたいと思っています。私の友達と私の関係についてですが、そのことはあまり話題に上りませんね。時たま、医師が処方した薬の違いについて話したりしますけど、大体において、甲状腺機能低下症は自分達の生活のほんのわずかの部分を占めているにすぎないのです。 |
WITK |
最後に、甲状腺の病気だと診断を受けたばかりの人に対して何かアドバイスなさりたいことはありますか? |
キム |
そうですね。甲状腺の病気は見つからないままでいることがよくあるので、もしそうかもしれないと思ったら、医師にそのことを尋ねた方がいいでしょう。本当に落ち込んだように感じたり、皮膚がひどく乾燥したりしている場合、医師に甲状腺の病気を調べてもらうよう頼んだとしても、心気症なんかではありません。また、血液検査では“正常”なのに、症状があるようでしたら、甲状腺の病気の診断では血液検査だけを受けるのでなく、超音波検査もするように医師に頼んでください。いったん診断がつけば、薬は1種類だけではないということを忘れないようにしてください。薬を飲んでもよくならない場合は、医師にそのことをちゃんと言いましょう。体に合った薬が見つかれば、奇跡のように感じるかもしれませんが、もとの自分に戻れるんですよ。 |