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女性の生殖生活の終わりを告げる更年期は、体の機能に甚大な影響を及ぼします。思春期から更年期まで、2種類の性ホルモン−エストロゲンとプロゲステロン−が女性の規則正しい月経周期を作り、子宮に妊娠の準備をさせるのです。あらゆるホルモンと同じように、これらの化学的メッセンジャーは体中を巡り、他のホルモンや粘膜や尿道、乳房、骨および皮膚を含む体の組織と相互に作用し合います。
更年期直前と更年期の最中の何年かにわたって、卵巣が徐々にホルモンを作らなくなってきます。このため、月経に大きな影響がでますし、またある種の臓器の自然の加齢プロセスが加速されます。これは特に循環器系と骨にはっきり出ます。
特に、女性ホルモンレベルの減少と血液中のコレステロールレベルの上昇により、心疾患が起こることがあり、また骨喪失が加速されます。後者は骨粗鬆症になるリスクの増加につながります。このような影響に対処し、更年期症状をいくらかでも和らげるため、多くの女性がホルモン補充療法(HRT)を選択します。この治療には昔からエストロゲンとプロゲステロンを組み合わせたものを含んでいます。
AACEの調査によれば、更年期症状のためHRTを受けている40歳以上の女性の3分の1が気分の浮き沈みやうつ病、および睡眠障害などの症状が続いていると見積もられています。これらの女性については、健康状態に重大な役割を果たしている病気が他にあるものと思われます。この役割は、甲状腺疾患の発生率が年齢と共に増加することを考えれば、さらに重要な意味を持ってきます。
「内分泌病専門医およびホルモンのエキスパートとして、我々は更年期についての患者−医師の会話を甲状腺ホルモンにまで広げるべきではないかと真剣に考えている。更年期に達したほぼ5,000万人の女性の内、少なくとも25%がHRTを受けており、その3人に1人は直接潜在する甲状腺疾患に起因すると思われる症状が続いていることを我々はつかんでいる。60歳以上の女性では甲状腺疾患の発生率がほぼ20%に増加するという事実を考慮すれば、この状況の深刻さが理解できるであろう」と前AACE会長のStanley
Feld, M.D., M.A.C.E.は述べております。 |
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