日本甲状腺協会(TFJ)は3人の甲状腺専門医により1997年に設立されました。若く、比較的小さな組織でありますが、現在、その活動には畑先生と田尻先生がそれぞれ個別に運営するインターネットウェブサイトだけでなく、赤須先生が著した素人向けの甲状腺の本2冊が含まれています。最初に出した本はもう8版になっていますが、今日までに30,000人を超える患者に読まれております。同様に、各ウェブサイトには毎日100名を超える「ゲスト」が訪れており、その数は増え続けています。甲状腺の病気をどのようにして見付けるかについての全国誌や新聞のインタビューも受けてきました。
これらの活動以外に、1998年に施行される新たに承認された日本市民活動促進法(NPO法)に基づき、当組織の法人化の時期であると考えております。国毎に状況が異なるので、日本における小規模な非利益団体(NPO)の現状を簡単に説明したいと思います。
日本のNPOはアメリカやヨーロッパのものに比べ、比較的小規模で、影響力も低いのです。一つには法的な構造のためであります。新しい法律が制定される前の民法の元では、公益団体の法人化のためにNPOはそのような組織の活動を監督する監督官庁(所轄官庁)から認可を受ける必要があったのです。
官庁が多岐にわたる決定権を持っているため、多くの組織は法人化の申請をしておりません。毎日の活動に官庁から口出しをされるのを嫌うからです。さらに、官庁は法人化のために相当な資産を要求するのが普通で、このために小さな草の根組織が法人化するのはほとんど不可能であります。例を挙げますと、申請の認可を受けるためには3億円(約300万USドル)以上必要なのです。
この法律は草の根組織が最初期待していたものとは大きくかけ離れたものです。NPOに関する法的システムはまだ十分なものではありません。例えばこの法のもとで法人化した公益法人は免税処置を受けられません。日本甲状腺協会を含む多くの市民団体は法人化することで何らかのメリットがあるのだろうかと思っています。
このように不利な点もありますが、社会的信頼を勝ち取り、寄付や一般の支援をもっと取り付けるため、また非営利団体の役割についてもっと一般の理解を深め、メンバーやボランティアを増やすために法人化を進めることにいたしました。
2000年10月に、第12回国際甲状腺会議と合わせて日本で国際甲状腺連盟のホスト役を務めます。その時にお会いするのを楽しみにしております
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