残念ながら、満足のいくような治療法はありません。甲状腺機能亢進症が眼症に影響すると思われるため、甲状腺機能亢進症をできるだけ早く、効果的に治療することがとても大事です。でも、甲状腺機能低下症にならないようにしなくてはいけません。これも甲状腺眼症には悪い影響を与えるからです。ほとんどの患者で、甲状腺の異常を治療したら目も幾分よくなる傾向があります。
少数の患者で、甲状腺に対して何を行っても関係なしに眼症が進行します。これらの患者では、視神経の腫れや視力を失うなどの好ましくないことが起こらないよう、ステロイドや免疫抑制剤などの強い薬で治療しなければなりません。
これらの手段が数日以内に効を奏しないようであれば、手術で組織の一部を取り除くか、あるいはX線で目の治療をして眼窩内の圧を緩和する必要がある場合があります。どちらの治療法でも、眼球やその周囲の眼窩組織の圧を速やかに減じ、永久的な視神経の損傷または緑内障が予防されます。 |