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マインにおける神経管欠損症とダウン症候群の妊娠中期のスクリーニング(12,13)のために採取した血液を、血液研究財団から供給してもらった。スクリーニングで使われた血清の残りに番号をつけ、摂氏-20度で保存した。その後の児の経過は州の決めた条例に従って、手に入れた。今回の研究には、1987年1月から1990年3月までの間に生まれた、出産時最低1,500g以上の新生児を対象とした。母親の血清はボストンのニューイングランド新生児スクリーニングプログラムに送ってもらった。25,216人分の検体は2年間で5回に分けて、測定した。 |
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我々は治療の必要性は抜きにして、血清TSH値が高値を示す妊娠中の甲状腺機能低下症を診断し、彼女らの子供を1996年3月から1997年12月の間に、検査した。我々は、全妊婦の血清TSH値が99.7%以上の妊婦75人のうち55人と契約を結んだ。最終的に47人(85%)が研究に参加してくれた。75人の妊婦のうち2人は、以前の妊娠時に研究の対象に入っていた。契約しなかった18人のうち、3人は他の州に転居し、一人は死亡、一人は子供が州の保護下にある。他の13人は謝礼金が安いために契約を拒否した。補助金を増やしてもらって、我々はさらに18人の軽症甲状腺機能低下症妊婦を見つけ出した。血清TSH値が98.0%〜99.6%であり、この中には血清T4値が7.75マイクログラム/dl以下の症例も含まれる。この2番目のグループを同定するために、血清TSH値が98.0%〜99.7%である247人の妊婦の血清T4値を測定した。新しく診断された18人のうち15人(83%)が研究に参加することに同意してくれた。対象を増やした後、研究対象となった全ての妊婦の血清T4値、血清フリーT4値、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体を測定した。
甲状腺機能低下症の女性に対して、血清TSH値が98.0%以下で、次の項目と一致する健常者を抽出した;出産したときの年令(違いは1歳未満)、教育年数(違いは1年未満)、採血した時点での妊娠週(完全に同じ)、血清の保存期間(違いは1ヶ月未満)、赤ちゃんの性。
血清の測定項目と研究の方法は血液財団から承認を得ている。研究への協力は電話で連絡し、研究内容を説明した書類の送付から始まった。説明して、同意が得られた場合は、子供を検査させてもらった。子供の神経心理学的検査が終了して、1ヶ月以内に家族にその結果を報告した。
研究の最後の時点で、甲状腺機能低下症患者と条件を一致させた健常者女性と再び接触をもった。この接触の目的は、妊娠中に甲状腺機能低下症と診断されてなかっても、その後に甲状腺機能低下症になっているかどうかを調べるためである。まず、手紙で血清TSH値測定の意義を説明し、次に電話でいくつかの質問をし、血清TSH値測定をさせて欲しいと頼んだ。その申し出に同意してもらった人たちに、指を針で刺して、濾紙に血液を付けてもらい送ってもらった |
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我々は、Four Factor of Social Status(the Hollingshead score)を使って、研究に協力してくれた全ての女性に対して社会経済的状況と医学的情報について調べた。彼女と夫または彼氏は教育ランクと職業ランクをつけた;教育ランクは1(教育期間が7年以内)から7(大学卒業かそれに相当する職業的な訓練を受けている)までにランク分けし、職業ランクは1(例えば農業)から9(例えば社長)
までにランク分けした。各々の夫婦の教育ランクに3を掛け、職業ランクに5を掛けた、そして二つの数を足した。最終的な数字が彼女と夫のスコアの平均になる。一方が就職していないときには、最終的な職業ランクは就職している方のものを取った。母親には、子供が落第しなかったか、学校での学業成績、学習時に問題はなかったか、学校で学業以外での問題はなかったかを尋ねた。
子供の神経心理学的試験は知能、集中力、言語能力、読書能力、学校での行動、視覚-行動能力などである。2人の専門の資格を持つ精神科医の一人が試験を行い、この研究のために依頼した別の専門精神科医が試験を、一緒にみた。そして、その監視していた精神科医が改めて、スコア化した。子供の神経心理学的試験に関与したスタッフは、その子供の母親が甲状腺機能低下症なのか甲状腺機能正常なのかは知らされていない。知能試験は、知能試験としては一番使われているWechsler
Intelligence Scale for Children(第3版)(15)で行った。知能試験は、IQ(知能指数)と言語の使い方、行動、気が散らないことなどに対して40-160までスコア化した。子供の聴力障害を検査するために、the
Test of Language Developmennt(第2版)(16)を使って、言葉の認識と言葉の発音を調べ、1-20までスコア化した。我々は、年長児童には言葉の認識と言葉の発音に対するスコアがないので、8歳11ヶ月の子供の平均値を使用した。読解力を調べるために、the
Peabody Individual Achievement Test (改訂版、PIAT-R)(17)を使用し、スコアは55-145までである。
注意の持続力をみるために、the Conner's Continuous Performance Test(18)を使用し、コンピューターで解析し、スコアは1-30である。
視覚認知や運動能力(スコアは55-145)を調べるために、the Development Test of Visual-Motor
Integration(19)が使用された。視覚-運動調和や利き腕と非利き腕の手で時間内にどれだけの釘差しをさせるかをみるために、The
grooved pegboard Test(溝にあるペッグボード;釘差し盤を用いてするゲーム)(20)を使用した。 |
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血清TSHはRIA(ラジオイムノアッセイ)で測定した(Diagnostic Products, Los Angels)。濾紙の乾燥血TSHはimmunofluorometric
assy(Wallc Oy, Turku, Finland)を用いて測定した。血清T4はRIA(ラジオイムノアッセイ)(21)かimmunofluorometric
assy(Wallc Oy)で測定した。血清フリーT4は、immunofluorometric assy(Wallc Oy)で測定した。甲状腺ペルオキシダーゼ抗体は酵素抗体法で測定した(Kronus,
San Clemente, Calif.)(正常値は2U/l以下)。 |
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血清T4, フリーT4, TSHは解析前にログに変換した。我々は結果をまとめるのに、幾何学的手法やログによる標準偏差を用いた。カテゴリー間の比較するのに、exact
test of significanceかodds ratiosを用いた。連続した変数を比較する際には、Student's t testを用いた。 |