| 1 | 
                乳頭がん | 
                …… | 
                90% | 
               
               
                  | 
                  | 
                  | 
                  | 
               
               
                | 2 | 
                濾胞がん | 
                …… | 
                3〜5% | 
               
               
                  | 
               
               
                | 3 | 
                髄様がん | 
                …… | 
                1〜2% | 
               
               
                  | 
               
               
                | 4 | 
                未分化がん | 
                …… | 
                1〜2% | 
               
               
                  | 
               
               
                | 5 | 
                悪性リンパ腫 | 
                …… | 
                1〜2% | 
               
             
           | 
         
       
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          がんの顔つきは悪いものから比較的おとなしいものまで様々です。 
            しかし、90%はおとなしいものです。 | 
          ■ | 
         
       
      
         
          触診、超音波、穿刺吸引細胞診で悪性と診断されたときは、組織型(顕微鏡でみたがんの顔付き)と拡がり(リンパ節、肺、骨などへの転移や近くにある食道や気管への浸潤)を調べなければなりません。 
            組織型、すなわちがんの顔付きは最も悪いものから比較的おとなしいものまで4〜5種類あります。たちの悪いものから言いますと、未分化がん、髄様がん、濾胞がん、乳頭がんです。幸いなことに、一番たちのよい乳頭がんが90%を占めます。 
            その顔付きが分かれば、治療でよくなるかどうかがだいたい予測できます。 
            がんではありませんが、悪性リンパ腫の場合は手術をしないで、放射線と抗がん剤で治ります。病気の拡がりはタリウム、ガリウム、ヨードなどのシンチ検査、CT・MRI(磁石を使う検査)で調べます。最近では,PET検査で肺や骨の転移を調べることができます。 | 
         
       
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          | 一部の例外を除いて、甲状腺のがんは他の部位のがんに比べてたちが良いようです。 | 
          ■ | 
         
       
      
         
          最初の手術でしっかりと治療することが重要です。やはり、甲状腺の手術を専門とする外科医に手術してもらうほうが良いでしよう。 
            9割は手術で治りますが、残り1割はやっかいです。 
            病気が見つかったときすでに肺や骨に転移している場合、手術で取りきれない時、高齢者の場合はあとがよくありません。肺や骨に転移していても、アイソトープを飲んで治療ができます(アイソトープががんに取り込まれて、治します)。 | 
         
         
          最近、甲状腺癌に対して全摘術を行った場合、アブレーションという治療を行うようになりました。しかし、甲状腺全摘術といっても実は甲状腺組織を本当に全部切り取ってしまうわけではないのです。気管に付着した正常甲状腺組織を無理に取ろうとすると気管を傷つけることがあります。すなわち、甲状腺全摘術後でもほんの少しだけ正常甲状腺組織は残ります。このほんの少し残った正常甲状腺組織が甲状腺がん再発の早期発見にとって妨げになります。 
          	サイログロブリンは正常甲状腺と甲状腺がんでのみ作られます。もし、甲状腺がんが再発したら、血中サイログロブリンが増えるわけです。しかし、正常甲状腺組織が残っていれば、そのサイログロブリンは甲状腺がんが作っているのか正常甲状腺が作っているのか分かりません。ですから、少し残った正常甲状腺組織を完全になくしてしまえば、正常甲状腺組織からサイログロブリンは作ることができません。したがって、サイログロブリンは甲状腺がん再発を早期発見できる腫瘍マーカーになるわけです。 
          	少し残った甲状腺組織を完全になくしてしまう方法が、放射性ヨードによるアブレーションです。放射性ヨードは小さなカプセルです。このカプセルを服用すると、腸から吸収された放射性ヨードが少し残った甲状腺組織に取り込まれます。すると、放射線によって甲状腺組織が完全に消失してしまいます。すなわち、正常甲状腺組織から出てくるサイログロブリンは血液中では検出できなくなります。もし、血液中のサイログロブリンが検出されるようになった場合、体のどこかに甲状腺がんが再発したことを意味します。どこに再発したかは、放射性ヨードによる全身シンチを行えば、診断ができます。すなわち、甲状腺がん再発の早期発見、早期治療が可能になります。 
          	将来、甲状腺がんの再発や遠隔転移(肺や骨に転移すること)を起こす危険性が少しだけ高い人にこのアブレーションをお勧めしています。この治療を行うことで、がんの再発や遠隔転移を早期に発見できます。 
          	アブレーションを受けた方が良いかどうか主治医の先生によくお聞きになってください。 | 
         
       
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          | 術後には普通、甲状腺ホルモン剤を飲んでもらいます。 | 
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          術後には、悪い細胞が出て来ないように、甲状腺ホルモン剤を飲んでもらいます。甲状腺ホルモン剤は、甲状腺刺激ホルモンという脳の下垂体からでるホルモンを抑える働きがあります。甲状腺刺激ホルモンは正常の甲状腺を膨らます働きがありますが、がんも膨らます働きがあります。このホルモンを抑えることで、がんの再発を防ごうというものです。 
            甲状腺刺激ホルモンを正常より高くしないこと、できれば正常以下にすることを目標にしていました。そのために甲状腺ホルモンを正常より少し高めにしていましたが、このレベルだと骨が弱る可能性がありますので、現在では甲状腺刺激ホルモン(TSH)を正常範囲にする治療に変わってきています。これは骨粗鬆症を予防するためです。 
            骨が弱っている場合は、甲状腺ホルモン剤を減らすか骨を強くするクスリを飲みます。 | 
         
       
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          手術した後も定期的に見せてもらう事が大切です。具体的には、血清サイログロブリン、頸部超音波、肺CTなどです。場合によっては、PETをすることもあります。 
            いくらたちが良いといっても悪性のものですから、再発はあります。 
            早めにみつければ、治療できます。 | 
         
       
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          髄様がんはときどき家族性にでてきますので、そのときは家族の人も調べさせてもらうこともあります。 
            髄様がんは血液を採れば、診断がつきます。カルシトニンというホルモンが高くなっています。 
            また、最近では遺伝子を調べることで将来、髄様がんになるかどうかも分かります。 
            ですから血液をみれば早めにわかり、ひどくなる前に治療できますので、恐れないで検査を受けて欲しいと思います。 | 
         
       
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