甲状腺機能異常症と妊娠時高血圧症
母体死亡の16%が妊娠時高血圧症によるものと言われています。したがって、妊娠時高血圧症は臨床的に注意を要します。
米国内分泌学会が出版している臨床内分泌代謝雑誌『JCEM』の最新電子版によりますと、妊娠初期に甲状腺機能亢進症があると妊娠時高血圧症の危険性が増すことが分かりました。具体的にいいますと、甲状腺機能亢進症があると妊娠時高血圧症の危険性は3.4倍に増えます。
顕性甲状腺機能亢進症(FT4高値、TSH低値)のみで、妊娠時高血圧症の危険性が増すようです。潜在性甲状腺機能低下症、低T4血症、潜在性甲状腺機能亢進症では、妊娠時高血圧症は起こさないとのことです。
妊娠時高血圧症を予防するため、妊娠初期に甲状腺機能亢進症を早期に発見するには甲状腺機能検査を行うことを推奨しています。