抗甲状腺薬とヨウ化カリウム丸の併用
バセドウ病に対する治療は抗甲状腺薬(メルカゾール、チウラジール)が使われます。メルカゾールなら1日3錠で十分に効果が発揮されます。また、メルカゾール1日3錠は1日6錠に比べて明らかに副作用(軽度の副作用や無顆粒球など)の頻度が減ることも分かっています。
多くの場合は、メルカゾール一日3錠で甲状腺機能はコントロールすることができます。しかし、少数の方ではメルカゾール1日3錠では甲状腺ホルモンを正常にするには十分でないこともあります。その場合は、メルカゾールを増量することもあります。このとき、服用開始2〜3ヶ月までなら副作用が心配になるところです。
最近、日本の研究者が1日量としてメルカゾール3錠とヨウ化カリウム丸1丸を併用したら、メルカゾール1日3錠に比べてはやく(短時間で)甲状腺ホルモン値を下げることができると報告しました。この治療法のメリットは、メルカゾールを増量することなく甲状腺ホルモンを下げることが可能なこと。さらに、メルカゾールを増量しないので副作用の頻度が減ることです。
PTU(チウラジールまたはプロパジール)でもヨウ化カリウム丸併用にて、同じ効果が期待できることも分かっています。
仕事やクラブ活動、試験前など甲状腺ホルモンをはやく正常化したい方には試してみる価値のある治療法です。