甲状腺機能性結節に対する放射性ヨード治療
甲状腺ホルモンが高くなる病気の代表はバセドウ病です。しかし、所変わればではありませんが、ヨーロッパなどヨード摂取の少ない国では、甲状腺ホルモンが高い病気の状況が変わってきます。シコリが甲状腺ホルモンを過剰に作る病気(甲状腺機能性結節)が、バセドウ病と同じくらいの頻度でみられます。日本では、甲状腺機能性結節の頻度は大変少ないです。多分、ヨード摂取が関係していると思います。
甲状腺機能性結節の診断は、甲状腺ホルモン高値、TSH低値に加え、シンチグラフィにて過剰に甲状腺ホルモンを作っているシコリを証明することです。この過剰に甲状腺ホルモンを作っているシコリを「ホット結節」と呼びます。
治療は、日本では手術が多いです。しかし、欧米では手術も行いますが、放射性ヨード治療で治すことも多いです。放射性ヨード治療は、入院の必要がなくキズも残りません。現在では、甲状腺機能性結節に対する放射性ヨード治療は保険診療で治療できます。
当院では、1999年8月から2014年4月までに111名の機能性結節に対して放射性ヨード治療を行いました。111名中83名(75%)は、1回治療で治ってしまいます。通常、治るまでに3ヶ月かかります。このような治療法もあることを知っておくのも良いのでは思い、お話ししました。