トピック > 2004年
[050]2004年3月15日
[050]
メルカゾールによる無顆粒球症:再び、問題となる!
田尻クリニック / 田尻淳一
平成16年2月、メルカゾールを製造販売している製薬会社からメルカゾールによる副作用である無顆粒球症について安全性情報が出されました<チアマゾールは、メルカゾールのことです>。今回の改正点は2つです。
1つ目は、メルカゾールによる無顆粒球症は服用開始2ヶ月以内に出ることが多いので、少なくとも投与開始2ヶ月間(再投与の場合を含む)は、原則として2週間に一回血液検査を行い、白血球分画<注釈:白血球には顆粒球、リンパ球、単核球などがあります。これらの白血球の比率をみることを白血球分画といいます。通常、白血球は4,000〜5,000/mm3、顆粒球は2,000〜3,000/mm3あります。顆粒球が500/mm3未満に減ると無顆粒球症と呼びます>を確認すること。その後も、定期的に血液検査を行い、白血球分画を確認すること。
2つ目は、無顆粒球症について服用前、十分に説明すること。

平成14年12月にも、メルカゾールによる無顆粒球症がマスコミで報道されました。このことについては、トピック[014]で公開しました。厚生労働省は安全性情報を出して、医師に注意を呼びかけたのですが、残念ながらその効果はなかったと判断したのです。そこで、特に無顆粒球症について再び、安全性情報を出したわけです。

メルカゾールを投与される患者さんは(再投与の場合を含む)、医師から副作用についてよく説明を受けることが大切です。副作用の説明もなしにメルカゾールを処方されたら、その医師に副作用について説明を求めてください。今回、メルカゾールによる副作用である無顆粒球症について、服用前に説明するよう医師に注意を喚起していますので、患者さんもそのことをよく知っておいて欲しいと思います。

メルカゾールの添付文書も参考にしてください。
もどる