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033 | T3、T4、FT3、FT4の違いて |
匿名 女・37歳 1999.01.26-15:46 |
現在、高齢初産で妊娠20週目です。2年前に甲状腺腫とバセドウ病の合併というめずらしい状態にて、甲状腺の一部を残し摘出手術をしました。その後、薬を飲むことも無く3ヶ月おきに外科にて診察を行っておりました。昨年妊娠し、同病院の産婦人科に通ってました。先日、外科にて行った血液検査にて『T3、T4』の数値が高いので薬を飲むように指示されました。もちろん妊娠の事は告げてありました。この数値結果を産婦人科医も一瞬見て驚いていたのですが、「FT3、FT4の数値と見間違った、産婦人科はFT3、FT4の数値で見るから」と言って、再度血液検査をしました。その結果がでるまでは、外科の先生の指示に従うようにとの事でしたので、外科では“メルカゾール錠”が出されたので、飲みました。本日、産婦人科での検査結果が出たのですが、驚いたことに全く逆の結果で「FT3、FT4の数値が低い、機能低下症だ。場合によってはホルモン剤を飲まなくてはいけない」と言われました。すでに私はメルカゾールを20錠分飲んでしまいました。逆の事をしてしまったので身体のことがとても心配です。同じ甲状腺ホルモンの数値で『T3、T4とFT3、FT4』はどう違うのか、今回はどうして外科と産婦人科で違うことが起きてしまったのか知りたい。また、今後患者としても、どのようなことを気を付けながら外科と産婦人科の先生とお話して行ったら良いか教えてください。まるで、反対の処置をされると不安でたまりません。 |
匿名さんへ | |
まず、甲状腺ホルモンにはT3・T4の2つがあります。このT3・T4というのは総T3・T4のことです。本当の甲状腺ホルモンはFT3(Free
T3)・FT4(Free T4)です。FT3・FT4は甲状腺ホルモン結合蛋白と結合した形で血液中に存在します。それが総T3・T4です。総T3・T4の99.9%は甲状腺ホルモン結合蛋白です。残りの0.1%が本当の甲状腺ホルモンです。これがFT3・FT4です。 妊娠すると、この甲状腺ホルモン結合蛋白の量が増えるために、T3・T4を測ると見せかけ上の高値を示すことがあります。ですから、妊娠中はFT3・FT4を測るわけです。甲状腺ホルモン結合蛋白の影響を受けませんので。産婦人科の結果が正しいでしょうね。しかし、血清TSH(甲状腺刺激ホルモン)を測らなければ本当の甲状腺機能は分かりません。TSHが正常であれば、FT3・FT4が少しくらい低くても心配なし。TSHが高ければ、甲状腺機能低下症ですので、甲状腺ホルモン剤の治療を要します。甲状腺ホルモンとTSH(甲状腺刺激ホルモン)の調節についてはわたしのHPの次のページを参考にしてください。 ●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/beginner/02.html 外科医や産婦人科医ではなく、甲状腺専門医の診察を受けることをお勧めします。わたしのHPの各地の専門医のページを参考にしてください。 また、何か疑問の点がありましたら、いつでもどうぞ。因みに、メルカゾールを20錠飲んだくらいでは、胎児には何の影響もありませんので、ご心配なく。 |
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