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090 甲状腺の病気を理由に離婚されてしまいました
よっちゃん
女・38歳
1999.09.09-20:42
島根県より、初めてお便りします。
10ヶ月前にお見合いをして、半年前に結婚しました。相手はひとつ年上の、私立高校の英語の先生。よく言えば優しいタイプで、悪く言えばおぼっちゃま、といったところでしょうか。
とにかく「こども子供こどもが欲しい」と言う人でした。
でも、結婚後すぐ、「喉が腫れている」と人に言われ、検査を受けたんです。
軽いバセドウ病、と診断されました。半年程度子供をつくるのは控えたほうがいいといわれ、薬を飲んで早く直そう!と思いつつ、旦那にそのことを話したのです。
反応は、予想していたのとは全く違っていました。
「なんで自分に断りもなく薬を飲んだんだ。子供はどうするんだ」
「薬を飲むのを止めて、先に子供をつくるほうがいい」
結婚して1週間程度しか経っていないのに、旦那は口をきいてくれなくなりました。もちろん、夫婦生活どころか、目も合わせてくれません。話しかけてもほとんど無視されて…。
そんな生活の中で、不満があるとすぐに実家に帰って、義父母にぶちまけていたようなのです。
しばらくすると、義父母の態度も冷たくなりました。また、義母は仲人をしてくれた人や親戚にも、私の病気のことや悪口を言いふらしていたとあとで聞きました。
こんなことではいけないと、いろいろ話し合おうともしてみたのですが、とりあってもくれません。話そうとすればするほど、私の話したいことではなく、たいして重要ではない部分をことさらに過大に受けとめてしまうようなのです。
私が何気なく口にした、以前もっていた夢〜海外で暮らしてみたい〜なども、「海外に行くのならなぜ結婚なんかしたんだ」と、実家で義父母もいるところで問いつめる始末…。
1ヶ月前に「離婚する」と言われました。
その理由は「なんで俺がバセドウ病の嫁なんかもらわないといけないんだ?」でした。
もう腹がたつやら情けないやら…。病気のことを理解してもらうために、一緒に病院へ行ってお医者さんの説明だって聞いたのに…。
そんなにバセドウ病ってどうしようもない病気なんでしょうか?
違うよね?きちんと薬をのんでいれば、治る病気だよね?
他に、「女のくせに家長である俺をたてない」「土日に残業手当のでない仕事に出る」「新婚旅行で俺の前を歩いた」なんてことも言われました。
人権侵害で訴えてやりたいくらいです。
でも、実家も同じH市内なので、ことをあらだてるわけにもいかないし…。
義父も「同じH市内だから、穏便にこと(離婚)をすすめたい」と言ったので、実家の父母も納得したのに、仲人さん宅に挨拶に行った義父は、思い切り私と私の実家の悪口を言って帰ったそうです。
…なんてひどい。
本当に、義父は、県内で10本の指に入る組織の役員なんだろうか。
本当に夫は、進路指導の先生なんだろうか。進学クラスの担任なんだろうか。
どうしてそこまで、人をおとしめることを平気で言えるんだろう?

甲状腺の病気…って、自分じゃどうしようもないもの。
なのに、それを理由に離婚…なんて。
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  黒崎かおりさんへ お気の毒です。
Oyaji's reply 黒崎かおりさん、はじめまして、田尻淳一です。このBBSでは大家のオヤジのニックネームですので、その名前でお答えさせていただきます。ご了承ください。

お話を聞きますと、本当にお気の毒です。バセドウ病という病気の誤解から生じた悲劇です。まず、ご主人は、主治医に病気について話を聞くべきでしたね(これは、あとの部分を読んでいて、ちゃんと医師の説明は聞かれているようですね。何を聞かれたのでしょうか。全く、理解しておられませんね)。バセドウ病があっても、ちゃんと治療していれば妊娠・出産には問題がないこと、クスリを飲みながら妊娠・出産するのが普通です。このような事実を知れば、考え方も違ってきます。

わたしの診ている人なども、ご主人が付いてきて質問されますね、そのあたりのことを。やはり、心配なのでしょう。よく説明してあげると納得されます。結婚前に男の方の父親に手紙を書いて、説明したこともあります。相手が医師であり、その父親も医師でした。それでも、バセドウ病に対して偏見を持っていました。医師にしてこれですから、素人では、なにをかいわんやです。

ご主人の「なんで俺がバセドウ病の嫁なんかもらわないといけないんだ?」という発言に対しては、医師として怒りを覚えます。他のバセドウ病の女性に対して失礼です。田舎なので、いまだに病気に対する偏見があるのでしょうが。

>そんなにバセドウ病ってどうしようもない病気なんでしょうか?違うよね?きちんと薬をのんでいれば、治る病気だよね?

バセドウ病は治る病気です。クスリ、手術、アイソトープいずれかで必ず、治せます。なんの心配も要りません。

最後に、本当にお気の毒です。でも、嫌なことは忘れて、バセドウ病を治しましょうよ。そうすれば、また良いことがありますよ。人生はあざなえる縄のごとし。偉そうなことを言ってすみません。

このような誤解をなくすためにも、われわれ医師はもっと、病気についてちゃんと説明すべきだと思います。
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