コミュニケーション > BBS質問集慢性甲状腺炎・甲状腺機能低下症
020

020 大家さんへ 質問です。
主婦
女・48歳
1999.08.21-01:30
先日、里へ帰って来たのですが、私の姉と甲状腺の話をしていたら、姉の娘25歳が高校生のときバセドウ病になったとの事、3ヶ月通院をして良くなり今は元気に働いています。
甲状腺の病気には、体質のようなものが、ありますか?
私には、娘はいないのですが、息子にも出てくるのでしょうか。
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  主婦さんへ 甲状腺の病気の遺伝について。
Oyaji's reply 主婦さん、おはようございます。

まず、お姉さんの娘さんは、多分バセドウ病ではありませんよ。3ヶ月で治るバセドウ病はまずありません。慢性甲状腺炎による無痛性甲状腺炎だと思います。無痛性甲状腺炎について以下に簡単に説明します。わたしのHPの検索エンジンで「無痛性甲状腺炎」と入力し検索すれば、多くの情報が出てきますよ。ご利用ください。

慢性甲状腺炎の人でたまに無痛性甲状腺炎という病気になることがあります。これは、最初甲状腺ホルモンが高くなり、1〜2ヶ月で反対に甲状腺機能低下症になり2〜3ヶ月で元の正常な状態に戻る病気です。原因はわかっていませんが、何かの理由で甲状腺の組織が壊され甲状腺ホルモンが血中に漏れ出てきて、そのときは甲状腺機能亢進症になります。しかし、1〜2ヶ月すると甲状腺ホルモンは低下してきて反対に甲状腺機能低下症になります。これは壊された甲状腺組織が修復される間、甲状腺ホルモンが作れないためです。甲状腺機能低下症は2〜3ヶ月で良くなり、もとの正常な甲状腺機能に戻ります。しかし、20〜30%ではそのまま永続性甲状腺機能低下症になる人もいます。

お尋ねの甲状腺の病気の体質についてですが、これはあります。特に、バセドウ病や慢性甲状腺炎のような自己免疫性甲状腺炎の場合でみられます。例えば、バセドウ病の年間発生頻度は日本人の場合、10万人に80人と言われています。しかしこれは少し、低すぎると思います。この研究は今から30年前のもので診断技術がまだ未熟なときのものであり、見逃しのケースも多々あったと思われます。現在のアメリカでの、バセドウ病の年間発生頻度は10万人に330人(0.3%)です。現在は、診断技術も進歩しており、軽症も診断できますので、これくらいが妥当と思います。

最近の研究によると、日本人のバセドウ病家系の年間発生頻度は、0.86%です。これからすると日本人のバセドウ病の年間発生頻度の約3倍程度の多さになります。

男性は女性の5分の1ですので、バセドウ病の発生頻度は低いのですが、やはり、その家系なら普通の男性と比べて、バセドウ病になる確率は3倍高いことになります。

甲状腺機能低下症の家系調査はなされていませんが、バセドウ病の結果と同じと考えていいと思います。普通のひとの約3倍、病気に罹りやすいということです。
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