コミュニケーション > BBS質問集甲状腺全般
005

005 原因不明の病気で困っています
David
男・31歳
1999.02.22-21:48
オランダ人の主人のことで相談です。3年ぐらい前から疲れやすくなり、朝がおきにくかったり、めまい、また1年前(日本にいた時)は体重減少、口渇等も有りました。(今は正常です=オランダに来てから)
今年に入って心臓の痛みを訴えていましたが、先日運転中ついに意識を失い病院へ担ぎ込まれました。そこで心臓の検査をしてもらいましたが心臓には何も悪いところは無いといわれました。その後も心臓の不調は続き、脈の乱れ、心臓の圧迫感等の症状があります。時々発作があると意識が遠のき死んでしまうのではないかと不安だそうです。血液の検査でT4の値が37.5(日本と単位が違うみたいです)で正常値よりも高いといわれましたがTSHは普通だそうです。オランダの甲状腺の専門医師からはそんなことはありえないと言われ困っています。症状的にはNO156番の男性の方の症状とそっくりのようです。ただ主人の脈拍は60前後と非常に遅いです。
なにか甲状腺の問題でしょうか、それとも他に原因があるのでしょうか?
文面からだけでは難しいでしょうがアドバイスを頂きたくメールしました。
また、オランダ人と日本人は甲状腺疾患に対して違い(数、疾患名)など違いがありますか?回答お待ちしています。
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  Davidさんへ
Oyaji's reply TSHが正常なら、甲状腺機能は正常です。T4は甲状腺結合蛋白の量によって測定値に影響が出ます。できれば、甲状腺結合蛋白に影響を受けないFT4(Free T4)で調べてもらって下さい。それでも甲状腺ホルモンが高い場合は、甲状腺ホルモン不応症が考えられます。これは、難しくなりますが、細胞の核にある甲状腺ホルモンの受容体の遺伝子異常で起こります。細胞レベルで甲状腺ホルモンのはたらきが悪くなるのです。症状がなければ、治療の必要はありません。これは、甲状腺ホルモン(T3)の受容体の遺伝子の点変異を証明すれば、診断が付きます。

欧州と日本ではヨード摂取量の違いから、甲状腺疾患も少し様相が異なります。まず、甲状腺機能亢進症の原因は日本ではバセドウ病が80〜90%ですが、欧州では甲状腺機能亢進症の原因バセドウ病が50%、中毒性多結節性甲状腺腫が50%でしょう。また、甲状腺癌も、日本では乳頭癌が90%ですが、欧州では乳頭癌は5〜10%と少なく、濾胞癌40〜50%、未分化癌30〜40%です。
バセドウ病以外の甲状腺機能亢進症については、わたしのHPの次のページを参考にしてください。
http://www.j-tajiri.or.jp/source/translation/a/06.html

甲状腺癌については、わたしのHPの次のページを参考にしてください。
http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/08.html

また、何かあればいつでもどうぞ。
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