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No.105 | 女・27歳 |
返信、有り難うございました。 もう一つ質問をしたいのですが、宜しいでしょうか? 実は動悸、手足のふるえ、睡眠障害などの症状は5年以上前からあったので、発病したのはそのころではないかと言われています(その間虫垂炎手術、肝炎で入院などをしています)。薬による治療が有効なのは初期段階だと伺っていますので、効果があるかどうか不安なのですが…。 現在はメルカゾールを50mg/日、メインテートを2錠/日飲んでいます。 私の場合、薬による治療はアイソトープ治療や手術より有効なのでしょうか(治療時間&効果において)。それでは宜しくお願いします。 |
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お話からすると、バセドウ病の経過は長いようですが、抗甲状腺剤は1〜2ヶ月すると効いてきます。 これは、あくまでも甲状腺ホルモンが正常値になることです。 それからバセドウ病が治るのに数ヶ月、人によっては数年間を要します。確かに、初期の軽い時期に治療を始めた方が治り易いかもしれません。しかし、甲状腺ホルモンは1〜2ヶ月しますと、ほとんどの場合必ず正常に入ります。それから、クスリを徐々に減量していくわけです。甲状腺ホルモンを見ながら、その人の甲状腺ホルモンを正常に保てる最低量まで減量していきます(この量を維持量といいます)。普通、メルカゾールで1日5〜10mgです。この維持量を数ヶ月から数年間服用して、治った状態になるのを待つわけです。甲状腺ホルモンが正常に入れば、日常生活で特に制限はありません。 日本の場合は、余程のことがない限り(例えば、甲状腺腫が非常に大きいときや甲状腺癌を合併しているときを除いて)、まず抗甲状腺剤による薬物療法から始めます。 いくら病気の経過が長かろうが、病気の程度がひどかろうが、まずクスリで治療して経過をみるのが一番良いでしょう。薬物治療を始めて4〜6ヶ月もすれば、クスリで治りにくいかどうかは専門医なら、判断できます。そのとき、アイソトープや手術を受けるかどうかを先生とよく相談されるのが良いでしょう。バセドウ病は、あせってはいけません。バセドウ病自体はこれからもずっと持っていくわけですから(どの治療で治った状態にあるとしても)、これから病気とうまくつき合って行かなくちゃ位に考えて、気長になってください。ただし、あなたが、早く治りたいのなら年令からいって手術が適しています。手術をする場合は、甲状腺専門の外科医にしてもらってください。それも、先生がちゃんと紹介してくれると思います。 私の意見を言わせてもらいますと、あなたの場合、確かにバセドウ病の程度は軽くはないようですが、まず薬物療法で様子をみる方が良いと思います。アイソトープや手術は甲状腺ホルモンさえ正常であれば、いつでもできます。手遅れとかはありませんので、心配ありません。 それと、今は甲状腺ホルモンが高いために、冷静な判断もできにくいと思います。 各治療法の寛解率はわたしのHPをご覧ください。 |
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