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No.114 | 女・33歳 |
お忙しい中、さっそくご丁寧なお返事を下さり、大変感謝申し上げます。 甲状腺機能低下症については、「ホルモン剤を一生服用する」ということに私が躊躇したので、医師との相談で「もう少し(2ヶ月後の)経過を診てから決めよう」ということになりました。 私としては、ホルモンを補い続けるよりも、自分の機能を回復させるという視点から漢方薬はどうだろうか、と考えています。漢方薬を扱う医師にかかる際の留意点なども含めて、先生のご意見をお聞かせいただければありがたく思います。よろしくお願いいたします。 |
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結論から言いますと、甲状腺機能低下症に有効な漢方薬はありません。それと、日本人の場合は、海草類(ヨード)を沢山摂りすぎて
甲状腺機能低下症になっている人がいます。特に、あなたのような慢性甲状腺炎(橋本病)を持っている人は海草類(ヨード)に大変弱く、摂りすぎると甲状腺のはたらきが落ちます。すなわち、甲状腺機能低下症になるということです。ヨードは甲状腺ホルモンの原料ですが、甲状腺の病気の中でも特に、慢性甲状腺炎とバセドウ病の人では、ヨードを摂りすぎると甲状腺のはたらきが落ちる人が一部にいます。これは、多くの人が認めている事実です。今から10年位前までは医学書でさえ、甲状腺機能低下症の治療は甲状腺ホルモン剤を一生涯服用という一行だけでした。しかし、その後の研究で、甲状腺機能低下症には一時的なものも結構あることが、わかってきました。だから、先生との相談で2ヶ月間経過をみることにしたのは、正解です。その間、海草類、特に昆布や昆布だし、ひじきなどは控えてみてください。あと気を付けるのは、目に見えないかたちで入ってくるヨードです。市販のだし、醤油、めんつゆなどは必ず裏の成分表を確認してください。結構、昆布が入っています。海草類にどれくらいヨードが含まれているかなどはわたしのHPの次のページにも書いてあります。 ●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/06.html あとは、伊藤病院のホームページで詳しくヨード制限食について書いてあります。 もしも、2ヶ月間、海草を控えて様子をみても甲状腺の働きが戻らないときは、場合によっては甲状腺ホルモン剤を飲まなければならないかもしれません。甲状腺ホルモン剤はあなたの体の中にあるものと同じものを合成して作っていますので、適切な量を飲めば、普通のクスリのような副作用はありません。ただ、甲状腺機能低下症といってもクスリをのまなくても良い軽度なものから、自分では全く甲状腺ホルモンの作れないものまで様々です。あなたの、甲状腺ホルモン値(T3,FT3,T4,FT4とかいう検査名です)と甲状腺刺激ホルモン値(TSHという検査名です)を教えてください。問題は、本当に甲状腺ホルモン剤による治療の必要があるかどうかです。最後に、もう一度言いますが漢方薬はやめた方が賢明です。お金ばかり高くて甲状腺機能低下症だけに限っては、何の効果もありません。 |
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