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No.160 | 女・47歳 |
昨年12月に発病。4ヶ月ほど薬服用。最後の検査は6月はじめです。4回ほどRI.EIA検査しましたが最初だけが異常でした。見ていただいていた先生は「一時的なものだったのでしょう」ということでした。無痛性とはいわれなかったですが先生のH/Pを拝見して、無痛性甲状腺炎ではないかと思いました。再発性があるというので少々心配になりました。 今現在9月初めから、お腹の具合があまり良くありません。時々下痢気味になります。8月半ば52kgが今51kgです。身長は161cmです。元々疲れやすい体質です。昨年は発熱から始まりました。1週間程平熱にならず参りました。最初原因がなかなか分からなかったのですが動悸がするといいましたら、判断がついたようでした。 再発の場合、まずどのような症状からなるのでしょうか?また日常生活の注意点などを教えていただけたら大変助かります。お忙しい中とは思いますが、宜しくお願いいたします。 |
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お話からすると、無痛性甲状腺炎が最も考えられます。この病気は慢性甲状腺を持っている人が罹ります。何らかの原因で(多分、免疫学的機序で)、甲状腺の組織が壊されて一時的に甲状腺ホルモンが血液中に漏れ出て、甲状腺ホルモンが高くなる病気です。バセドウ病との鑑別が難しいことがありますが、放射性ヨードの摂取率をすれば、100%診断できます。あなたも、その検査を受けているようです。RIと書かれている検査です。それで、診断が付いたのでしょう。ご質問の、再発の場合の症状ですが、甲状腺ホルモン高値の症状ですので、体重減少、動悸、下痢などのバセドウ病と似た症状がでます。しかし、バセドウ病と比べて症状が軽いのが特徴です。1〜2ヶ月すると落ち着きますので、普通は治療の必要はありません。その後、正常から今度は甲状腺機能低下症を経過して元に戻るのが通常の無痛性甲状腺炎です。すべての経過は4〜6ヶ月です。一部の人で再発を繰り返しますが、自然に良くなるので心配ありません。日常生活の注意点は、特にないと思います。何故、このような病気になるか分かっていないからです。無痛性甲状腺炎については、わたしのHPの次のページを参考にしてください。 ●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/03.html ●http://www.j-tajiri.or.jp/source/patient/002/06.html ●http://www.j-tajiri.or.jp/source/patient/005/index.html 無痛性甲状腺炎は産後に起こる場合と産後とは関係なく起こる場合があります。何回も繰り返し起こすと、組織の破壊が進み甲状腺機能低下症になってしまうこともあります。そのときは、甲状腺ホルモン剤を飲めば良いだけです。 |
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