コミュニケーション > 公開コーナー慢性甲状腺炎・甲状腺機能低下症
185

No.185 男・0.5歳
甲状腺検査によりTSHが9.0mU/l台と言われ甲状腺の腫れもなく見た目には異常は感じられませんが、レントゲン撮影結果手の骨の発育が遅いと診断されています。ちなみに、生後5ヶ月です。今後どのようにすればよいか御教授下さい。
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Oyaji's reply TSHが9.0mU/l台ということは軽い甲状腺機能低下症があるということですね。わたしは、小児科ではありませんので、その分野の専門の先生にお聞きしました。その受け売りになりますが、お答えします。多分、新生児マススクリーニングで見つかったのでしょう。日本では、新生児マススクリーニングが普及し、早期発見、早期治療が可能になり、クレチン症(生まれつきの甲状腺機能低下症のこと)の予後も非常に良くなりました。しかし、この疾患は白か黒、すなわち正常か異常ではなく、この間連続的に機能低下症が分布しているものと考えられます。あなたのお子さんのようなTSHがやや高い例はスクリーニング対象例の内、最も多いものと考えられています。長期にTSH高値が持続する例は極軽い甲状腺機能低下症と考えられます。思春期年齢で軽い甲状腺腫が出てくる可能性もあります。その先生の意見ですと、TSHが生後6ヶ月で10.0mU/l以上、1歳で5.0mU/l以上の場合は簡単な検査を行って治療されるそうです。6歳頃に甲状腺ホルモン剤を中止し、また、検査して病型診断をされるそうです。
すなわち、甲状腺機能低下症の原因をはっきりさせるわけです。予後については、あなたのお子さんのような軽症の症例は良いとのことです。今、診てもらっている先生にこれからも長期間診てもらってください。治療が必要になれば、ちゃんと治療してくれますよ。何かあれば、いつでもメールをどうぞ。
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