コミュニケーション > 公開コーナー慢性甲状腺炎・甲状腺機能低下症
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No.177 女・18歳
こんにちは。私は1年前、甲状腺機能低下症と診断されました。当時は体がむくみ、睡眠を十分に取っていてもすぐに眠たくなり、気力がわかなかったのです。現在は体の調子も良く、チラージンSを1.5錠服用しています。気になることが1つあります。それは、自己抗体が陽性に出ていることです。多分甲状腺に対するものだと思います。合併症で膠原病になる恐れがあると聞きました。膠原病は発病するのでしょうか。将来のことを考えると不安になります。どうかお返事よろしくお願いします。
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Oyaji's reply まず、結論から申しますと全く心配ありません。あなたは慢性甲状腺炎を持っておられて甲状腺機能低下症になっているのだと思います。甲状腺に対する自己抗体、すなわちマイクロゾーム抗体、サイログロブリン抗体、TPO抗体などは慢性甲状腺炎で陽性に出るのが当たり前で、これが診断に使われているのです。これらの抗体が陽性だから、膠原病になりやすいことはありません。あなたが心配しているのは自己抗体でも、抗核抗体、抗DNA抗体etcでしょう?慢性甲状腺炎の人ではかなりの高率でこれらの抗体が陽性にでます。しかし、これは膠原病ではないのです。ただ、抗体を持っているだけです。だから、われわれ甲状腺専門医は症状がないのに、むやみに甲状腺以外の抗体は調べません。調べて陽性だと患者さんに不安を与えるだけで、益がないからです。例えば、膠原病を疑わせる症状が出てくれば、その時検査すれば良いのです。それについては、わたしのHPの次のページを参考にしてください。
http://www.j-tajiri.or.jp/source/patient/005/01.html
このページの最後のあたりのその他の『自己免疫病の心配をする必要がありますか?』のところをお読みください。Take it easy!!
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