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No.130 | 女・32歳 |
25歳の弟ですが、8月に甲状腺の乳頭ガンと診断され、仙台の病院を紹介されて9月2日に甲状腺とリンパの摘出手術を受けました。開けてみたところ声帯の神経までガン細胞に巻き込まれていたそうで、左右の声帯のうち1本は神経を切ってガンを摘出しましたが、残りは、無理にガンを取ると神経を傷付けてしまうので、そのままにして放射線で焼き殺すそうです。手術後、1日だけ集中治療室に入り、その後の経過も良好で、普通の病室にもどることができました。ただ、心配なのは、声帯を1本きってしまって今までのように声が出せるのでしょうか(手術後は、ささやき声程度しかでませんでした)?それと、放射線治療について詳しく教えてください。 先生のホームページを見つけて、本人も色々と勉強になり、また安心して手術を受けることができました。ありがとうございました。 |
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声帯を動かす神経を反回神経と言いまして、左右の甲状腺の後ろを通っています。甲状腺癌が大きくなると、この神経に浸潤して声帯の動きが悪くなり、声がしゃがれ声になります。また、手術のとき癌を切除するために、反回神経を犠牲にすることもあります。以前の様な声にはならないと思います。一旦、切断された神経は後日、吻合するのは難しいようです。しかし、最近では声帯内にシリコンを注入したり、声帯を内転させる手術などで声帯の隙間を狭くすることで音声はかなり改善するそうです。 主治医の先生と相談してみてください。残念ながら、甲状腺乳頭癌には、放射線外照射(外から放射線を当てること)は効きにくいと思います。しかし、131-I(放射性ヨード)による内照射の効果は、131-Iが残った癌細胞にどれだけ取り込むかに依ります。131-Iのカプセルを飲んで、癌細胞に131-Iの取り込みがあれば、焼き殺せる可能性があります。取り込みがないと効果は期待できません。放射線治療は外照射か131-Iによる内照射かを、やはり主治医に聞いてみてください。また、分からないときはメールをください。 |
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