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No.122 | 女・38歳 |
相談内容ですが、三女(4歳・平成6年5月24生まれ・体重:15kg・身長:101cm)が、今年の6月頃より喉の右にしこり
出来、病院で見てもらい甲状腺に腫瘍が、出来ており検査をしてもらいました。検査内容は、血液検査、尿検査、レントゲン、超音波、穿刺吸引細胞診をしました。結果は良性の腫瘍と言われましたが、4cmにもなっておりやはり手術が、必要と言われました。月1回の定期検査をして、なるべく小学1年生まで延ばしたいと言われました。体重が25kgぐらいでないと、麻酔を使うのがあぶないそうです。 何とか手術しないですむ方法は、ないのですか? 病院では、4歳の子供は、初めてといわれました。先生は、とっても優しいのですが、検査が恐くて病院嫌いになっています。 どうしたらよろしいでしょうか? |
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親御さんとしては、大変心配と思います。まず、小児の甲状腺結節(シコリ)は大変稀です。しかし、充分に注意しなければならないことは、この年令の甲状腺結節には癌の頻度が高いことです。報告によれば、小児の甲状腺結節では20〜73%の頻度で癌があると権威ある外国の教科書に書いてあります。超音波、穿刺吸引細胞診で良性ですので心配ないと思いますが、濾胞癌は超音波、穿刺吸引細胞診でも診断できないことがあります。お子さんの場合は直径4cmとかなり大きいですので、手術を受ける方が安全です。残念ながら、手術を受けるのが一番良いと思います。他に、甲状腺ホルモン剤によるTSH抑制療法もありますが、効果は20%程度と低くこの年令の子には勧められません。それは、先程述べた理由のためです。また、エタノール局注などありますが、この年令の子には痛がって到底無理です。結論として、全身麻酔で手術をする以外、選択肢はないように思います。小さい子供にメスを入れるのは可哀想とお考えかもしれませんが、この子の将来のためには、手術が良いと考えます。問題は時期です。先生の指示に従って、時期が来たら思い切って手術してもらって下さい。あなたのお子さんの診てもらっている病院はその地区では最高の病院と思います。病院の好きな子などいません。通院しているうちに、だんだんと慣れてきます。検査が恐くて病院嫌いになっていることなどを、ざっくばらんに先生に話されては如何でしょう。先生も少しは、考慮してくれますよ、多分。 |
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