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No.157 | 女・28歳 |
のどに甲状腺が眼で確認できるほど腫れがあり現在総合病院の耳鼻咽喉科で検診を受けています。自覚症状としては、あくびをすると苦しい疲れやすいといった症状があります。 現在まで、血液検査・MRI・エコー一通りの検査を行い良性であるとの結果報告を受けおり、今まで袋にたまった甲状腺の液を2回穿刺(12ml・9ml)いたしました。医師からは甲状腺の袋が鎖骨近くまで大きくなり手術することを勧められております。発覚してから1ヶ月経過しましたが今後の事を考えると早い段階で手術した方が良いのでしょうか?それとも、もう少し時間をかけて穿刺治療を続けて様子を見た方がいいでしょうか?何を持って判断すればいいのか判りません何かありましたらお教え下さい。ちなみに甲状腺ホルモン剤等の飲用はしておりません。 |
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あなたの甲状腺腫瘍が嚢腫なら、穿刺治療をもう少し続けることをお勧めします。嚢腫というのは良性の甲状腺のシコリ(結節性甲状腺腫)の一種で、シコリの90%以上が液を貯めているものです。このタイプは癌はほとんどありません。あなたも、種々の検査で良性と言われていますね。わたしの経験では、嚢腫の場合は、約90%の人が月1回の穿刺治療をすると平均3.6ヶ月でシコリは9.7mlから0.7mlに縮みます。穿刺の頻度が多すぎると却って抜けにくくなります。多分、中に出血して凝血塊ができるためでしょう。1ヶ月すると、それも吸収されて抜きやすくなります。徐々に縮小するタイプと3〜4回まではほとんどサイズが不変でも、急に縮小するタイプがあります。現在、わたしは甲状腺ホルモン剤は使用していません。穿刺のみで十分と考えています。何はともあれ、手術はいつでもできますので、慌てることはありません。そして、いまは、穿刺治療で縮小がなければ、エタノールを嚢腫内に入れて縮める方法もあります。嚢腫に対しての手術は最後の手段に残しておくべきでしょう。それと、できれば甲状腺専門医の診察を受けた方が安全です。何故かというと、嚢腫と思っても突出部に乳頭癌があることもあります。この場合は、超音波ガイド下に穿刺吸引細胞診をする必要があります。これは、甲状腺専門医でなければ難しいでしょう。診断をしっかりしてもらうことです。わたしのHPの各地の専門医のページを参考にしてください。 嚢腫の穿刺治療については、わたしのHPの次のページを参考にしてください。 ●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/07.html |
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