コミュニケーション > 公開コーナー結節性甲状腺腫・甲状腺がん
188

No.188 男・35歳
先日、母の件で相談にのっていただいた者です。今日面談が終わりました。説明を受けた内容と結果をお知らせいたしますのでご意見を頂ければ幸いです。

【説明を受けた内容】
  1. 腫瘍は直径3cm弱のものである。
  2. 甲状腺の右側に限られたものの様だ。
  3. 薬剤を注入し数時間後に様子を見る検査では右側にぼんやりとした影が見られ悪性の可能性もぬぐえない。
  4. 吸引細胞診を行ってもこれだけ大きいものの場合、吸引した一部が良性でも他の部分が良性とは限らない。
【結果】
  1. 甲状腺の右半分と右リンパ節を切除する。
  2. 切除したものを検査し悪性か良性か判断する。
  3. 切開してみて腫瘍が声帯まで及んでいる時は、声帯の右側を切断することがあるが、その可能性は低い。
  4. 良性の場合、左側の甲状腺は残るので予後は良い。
  5. 手術は11日(水)2時間ぐらいで終了する。
ということでした。
40分以上時間をかけて、丁寧に説明をしてくれました。これまで見たHPでも3cm以上であれば切除するのが定石の様でしたので納得して帰って来ましたが、いかがでしょうか? 今後注意しなければならないことはありませんか?
.
   
Oyaji's reply 『吸引細胞診を行ってもこれだけ大きいものの場合、吸引した一部が良性でも他の部分が良性とは限らない』というのは間違いです。穿刺吸引細胞診も行わないで、手術をするのは考えられません。超音波ガイド下に怪しいところを穿刺するのです。確かに、濾胞癌では診断はできませんが、それ以外の癌は診断できます。濾胞癌は全甲状腺癌の数パーセントのみです。穿刺吸引細胞診を行わないのは、自信がないからとしか思えません。手術すれば分かるという論法は今では、通用しません。
今一度、別の甲状腺専門医に診てもらうことをお勧めします。遠くとも札幌まで行かれた方が良いです。どう考えても、穿刺吸引細胞診を行わないのは納得しかねます。同じ手術するにしても、術前に診断を付けておくべきです。しかし、あなたがその先生を信頼されているのなら、わたしは何も言えません。最終的に決めるのは、あなたや患者さんです。
|←187|…[もどる]…|189→|