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- 3cm以上で切除する事を考慮するのは、あくまでも充実性の腫瘍です。すなわち、腫瘍細胞で内部が全部占められているときです。この場合は10〜20%に濾胞癌が含まれているからです。話が難しくなりますが、腺腫様甲状腺腫や腺腫様結節では3cmを越えていても、手術の必要のないことがほとんどです。わたしも3cm以上の良性腫瘍の人を沢山、経過観察しています。それと、わたしのHPにも、書いていますが甲状腺ホルモン剤によるTSH抑制療法で小さくなる人も3割いるのです。縮小したとは、医学的、国際的に認められているのは容積が1/2以下です。甲状腺ホルモン剤によるTSH抑制療法は全く無効とする人もいますが、わたしは自分でやって上記の結果を得て一部の人では、効くという確信を持っています。この治療に肯定的な結果を出している他の研究者も大体同じ頻度です。このような治療をしても、縮小しない人で充実性の人に手術を勧めています。甲状腺の病気は慌てる必要がないものなのです。最近の出版物をみると、有名な甲状腺専門病院では、結節性甲状腺腫の手術適応を決める場合、3cm以上というより、4〜5cm以上と変化してきています。これは穿刺吸引細胞診の進歩と関係あるのでしょう。
- 別に、癌という証拠もないのですから、慌てる必要はありません。考える余裕を与えないやり方です。もっと、十分考えても命には別状ありません。良性の可能性の方が高いのですから。
- 甲状腺専門科医の診断を仰いだ方が、賢明です。これはセカンドオピニオンといって、アメリカなどでは当然のことです。一人の医師の診断だけで手術を決めるのを避けるためです。他の専門医の意見を聞くのです。本来なら、いまの医師が専門医に相談して、手術を決めるべきものと思いますが。
- あなたが、もし専門医の受診を希望されるのならメールをください。その先生と連絡を取って、診察日、診察時間などを聞いてみます。手術が必要と先生がいわれれば、今の病院で手術されると良いでしょう。
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