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No.190 | 男・35歳 |
先生から紹介していただいた甲状腺専門医の先生は、田尻先生からのFAXにゆっくりと目を通し開口一番こうおっしゃいました。 「まず診てみて、診断してしまいましょう」 手術して喉を切ってしまわなければ何とも言えないと前の病院で言われていましたので、その一言でこれまでの先生と「専門医」という方の違いがはっきり認識させられた思いです。 それから先生は、エコーをかけながら本人と父、私に画面を見るように指示され3cmの腫瘍があること、エコーで見る限りは悪性とは思えないこと、先生の見ている患者さんの中ではこのくらいの腫瘍は大きいものとは言えないこと、もっと大きいものでも切らないでいる人がたくさんいること等をゆっくりと話されました。 先の病院では一部分の吸引細胞診をしても他の部分が悪性かも知れないといわれたことを話すと笑って「何個所もやってみればいい」と言われました。 そしてすぐに3個所の吸引細胞診をされました。結果は1〜2週間かかること、この病気は10年くらい前からゆっくりと始まっていて、5年くらい前には今の大きさになっていたかもしれないので今更何にも急ぐことはないこと、2〜3ヶ月かけてじっくり考えていきましょうとおっしゃられました。 全く田尻先生と同じ見解で、私はただ驚いていました。 本人や父にもわかりやすく説明していただき、「安心した」と喜んでいました。その先生のお話しでは、結果として切除しなければならない可能性はまだ半々との事でしたが、結果はどうあれ本人や父も十分納得したようです。 |
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まず、最初に、本当に良かったですね。あなたの昨日1日も嵐のようであったと察します。手術を中止してもらい、先方の先生に事情を話し、札幌の専門医の先生のところまではるばる診察に行き、また苫小牧に戻られた。 わたしは、専門医がまず、診断してその後、どう治療するかを決めるべきだという信念を持っています。どうせ、手術するのだから、どこでも良いという医師や患者さんもなかにはおられますが、それは、間違いだと思います。特に、手術を決めるときは慎重を要します。その中でも、腫瘍です。患者さんは癌かどうかを一番心配します。実は、癌は5%以下なのです。わたしの、クリニックでは全甲状腺結節の9%が癌です。これは、甲状腺専門ク リニックという特殊なところですので、biasがかかっているためです。まず、的確な診断技術を要します。ここで、手術を決める材料として穿刺吸引細胞診は重要な因子です。 何かあれば、いつでもメールをどうぞ。Good luck!! |
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