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未分化癌:もっとも希な甲状腺癌

このページは特定のタイプの甲状腺癌について、さらに詳しい情報を述べたものです。

さらに理解しやすくなりますので、まず、甲状腺癌:概説を先に読むようにしてください。

未分化癌はすべての甲状腺癌の中では、もっともまれで(2〜3%)、死亡率の高い癌です。この癌は治癒率が非常に低く、最良の治療が行われた場合でも、診断されてから3年後に10%の患者しか生存できません。より分化度の高い甲状腺癌の中から、あるいは甲状腺腫の中からさえ発生することがよくあります。乳頭癌と同じように、未分化癌は放射線被爆後何年も経ってから(〜20年)発生することがあります。大多数のケースで、診断時に頚部転移(頚部のリンパ節に広がること)が存在します(90%以上)。頚部のリンパ節転移の存在により、再発率が高くなり、また死亡率も高くなることが予測されます。この癌は、患者本人や家族が首のしこりがだんだん大きくなってくることに気付いて見つかる場合がいちばん多いのです。

未分化癌は隣接組織に浸潤し、頚部リンパ節と肺や骨などの離れた器官へ広範に転移します。癌があることがわかった時点で、気管への浸潤が25%に存在します。診断時に患者の50%は肺に広がっています(転移) 。この癌は悪性度が非常に強く、生命に関わる頚部組織に入り込んでいるため、診断時にほとんどが手術できない状態になっています。ハイパーフラクショネーション放射線照射治療<注釈:一日に少量の放射線照射を3〜4回行う治療)や化学療法、および手術のような積極的な治療法を行ったとしても、3年生存率はわずか10%にも満たないのです。

未分化癌の特徴
  • 発生のピークは65歳以上。
  • 若い人には非常に希である。
  • 2対1の比率で女性より男性に多い。
  • 通常、急速に成長する頚部のしこりとして現れる。
  • 放射線被爆後、何年も経ってから起こることがある。
  • 90%以上のケースで、頚部リンパ節への転移が存在する。
  • 最初に診断された時点でも、遠隔転移(肺や骨への転移)が存在することが非常に多い。
  • 全体的な治癒率はきわめて低い。

未分化癌の管理
未分化癌の主な問題は、非常にたちが悪く、診断時には広く浸潤しているのが普通であることです。したがって、患者のごく一部しか、治癒の見込みを持って手術を受けることができません。早期に診断がついた患者は、甲状腺全摘が必要になります。多くは、特に癌が進んでおり、手術ができない患者では、放射線の外部照射(放射性ヨードとは違います)が効果があります。未分化癌では、ある種の化学療法も効果がある場合があります。

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