バセドウ病に対するアイソトープ治療が外来で可能に! |
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1998年6月に、厚生省からの通達でアイソトープ治療が500MBq(13.3mCi)までなら、外来で治療しても良いことになりました。これは、今まで約2週間の入院が必要で特別な病棟に隔離されていたことを思うと、患者さんにとっては、大変な福音であると思います。症例によっては外来でできないこともあります。主治医の先生が判断されますが、ほとんどの場合は、外来でバセドウ病のアイソトープ治療は可能であると考えます。
アイソトープ治療は、癌や白血病にもならず、将来子供を産む若い女性に投与しても奇形児が生まれたりなどしません。安全であり、治療費も安く、外来でカプセルを飲むだけと大変簡単です。すなわち、安全、安い、簡単と3拍子揃った治療なのです。唯一の欠点は10年後に約50%の人が甲状腺機能低下症になることです。これは、甲状腺ホルモン剤さえ飲めば、全く問題ありません。
このような良い治療が、何故日本ではあまり普及しなかったのでしょうか?それは、日本が世界で唯一の被爆国であることも関係しているでしょう。また、アイソトープ治療をするためには、入院を要したということもこの治療の普及の妨げになったでしょう。加えて、アイソトープ治療のできる施設があまりにも少ないということも理由としてあげられるかもしれません。
しかし、外来でアイソトープ治療が可能になれば、クスリを長期に飲んでも治らない人、手術は嫌であるという人、クスリの副作用で別の治療を選択しなければいけない人、手術ができないような別の病気(例えば、心臓病、肝臓病など)を持っている人、早く治りたい人などにとっては非常に福音です。
ここに日本全国のバセドウ病のアイソトープ治療が可能な施設を公開します。しかし、全部は分かりませんでした。本来ならば、日本アイソトープ協会が患者さんのために公開すべきだと思います。しかし、彼らの公開を待っていたのでは、いつになるか分かりません。これが、日本の実状です。国民の権利はどこへ行ったのでしょう。わたしは、敢えて自分で草の根運動をして、日本全国の甲状腺専門医および放射線科医の先生方に個々にお聞きして、出きる限り調べました。 |
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公開に際し、情報を提供してくださった先生方にはここで、心より感謝の意を表したいと思います。 |