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わたしは、『機能性甲状腺結節に対する外来での放射性ヨード治療』という演題で発表しました。実は、機能性甲状腺結節に対する放射性ヨード治療は欧米ではよく行われる治療法なのですが、日本ではほとんど行われていないのです。例えば、日本三大甲状腺病院と呼ばれる東京・伊藤病院、神戸・隈病院、別府・野口病院でもほとんど手術かPEIT<注釈:99%エタノールを機能性結節に局注する治療法>で治療しています。 |
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平成11年7月から平成14年11月までに当院を訪れた機能性甲状腺結節患者23例(単発性機能結節14例、中毒性多結節性甲状腺腫9例:男2例、女21例、年令61.1±14.4才)を対象とした。甲状腺機能検査は、全例血清TSHが抑制されていた。画像診断は21例で99m-Tcシンチ、2例で123-Iシンチにて行った。超音波で、単発性結節か多発性結節かを確認した。一部の症例では、甲状機能が正常になって、穿刺吸引細胞診を行い、すべて良性であった。一回の投与量は13.3mCiである。血清TSHが正常値になるまで3〜4ヶ月間隔で投与した。 |
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治療は、2.2±2.5(1〜8)回で、総投与量は28.5±20.5(11.9〜100.4)mCiであった。治療前後のFT4(ng/dl)、TSH(mU/L)、重量(ml)は、 |
- 単発性機能結節(14例)
FT4:前1.7(1.0〜2.6), 後0.9(0.5〜1.4)
TSH:前0.03(0〜0.1), 後49.1(1.1〜171.1)
重量:前16.5(2.2〜57.1), 後6.2(0.6〜18.5)
- 中毒性多結節性甲状腺腫(9例)
FT4:前1.7(1.0〜2.3), 後1.2(0.7〜1.5)
TSH:前0.03(0〜0.2), 後5.6(0.4〜27.2)
重量:前95.9(21.7〜352.4), 後43.1(13.8〜90.4)
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であった。 |
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機能性甲状腺結節に対する外来での放射性ヨード治療は、良好な治療成績であった。 |
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