バセドウ病とアレルギー鼻炎について、最初に報告したのは大阪大学のグループです(Hidaka
Y et al. JCEM 77: 1667-1670, 1993)。彼らは、アレルギー性鼻炎を合併していないバセドウ病では、再発が41%であるのに対し、アレルギー性鼻炎を合併しているバセドウ病では、再発が82%と有意に高いことを見いだした。彼らは、またアレルギー性鼻炎が引き金でバセドウ病が発症した症例の報告もしている(Hidaka
Y et al. Thyroid 6: 349, 1996)。
Yamadaら(Yamada T et al. JCEM 85: 2775-2778, 2000)は、バセドウ病患者の35.5%で血清IgEが高いことを見いだした。血清IgEは、気管支喘息や花粉症の患者で高値を示す抗体である。また、彼らは血清IgE高値のバセドウ病は、再発しやすいと報告している。最近、Yamadaらのグループは同様の結果を報告している(Komiya
I et al. JCEM 86: 3540-3544, 2001)。
アレルギー疾患をコントロールすれば、バセドウ病は治りやすくなるのかどうかも興味ある点である。今後の研究に期待しましょう。 |