トピック > 2001年 > |
|
[004] |
|
オランダのグループは、最近のアメリカ内分泌学会誌に非中毒性多結節性甲状腺腫の治療についての論文を発表した(JCEM
86: 998-1005, 2001)。64名の非中毒性多結節性甲状腺腫患者を無作為に、従来のチラーヂンSによるTSH抑制療法を受けたグループ(32名)と放射性ヨード治療を受けたグループ(32名)に分けた。最終的に、治療を完了できたのは、それぞれ29名と28名であった。 結果は、放射性ヨード治療を受けたグループでは甲状腺腫は44%減少したのに反し、従来のチラーヂンSによるTSH抑制療法を受けたグループでは甲状腺腫はたった1%減少したに過ぎなかった。 彼らは、「チラーヂンSによるTSH抑制療法は効果も不十分だし、服用を中止するとまた甲状腺腫が元の大きさに戻るので、あまり勧められない」と述べている。また、長期にTSHを抑制する量のチラーヂンSを服用すると骨粗鬆症や心房細動などを引き起こす危険性もある」と警告している。非中毒性多結節性甲状腺腫に対する治療法として、放射性ヨード治療は有用であると締めくくっている。 |
[もどる] |