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No.215 女・31歳
3つほど質問があります。
  1. 現在米国に住んでおり、こちらで甲状腺の治療を受けていますが、私が受けたような治療は普通なのでしょうか。日本にいたら違う治療を受けていたのではと不安です。
    …95年に日本において甲状腺亢進症と診断され、PTUを飲んで96年末頃にはかなりよくなっていました。その後米国で暮らすようになり97年の夏までPTUを飲まずにいましたが、また再発し、今度は放射能治療を受けました。4ヶ月ほどしてTSHが39.3mIU/ml、T4(RIA)が1.4μg/dl、T3(RIA)が31ng/mlの極度の低下症になり、レボキシル100μgを毎日飲んで数ヶ月後には正常値になりました。1年たって検査したところ、亢進症気味(TSHが0.13mIU)と分かり、現在ホルモン剤を減らしています。

  2. パニックディスオーダーと甲状腺亢進症は併発しますか。または甲状腺亢進症がパニックディスオーダーを引き起こす、ということはあるのでしょうか。
    95年に甲状腺亢進症と診断される前にパニックディスオーダーのような症状がありました。リラックス中に突然動悸が激しくなり(心拍数が1分間200位)、非常に息苦しく、窒息死しそうになるのですが、病院に着く頃にはなんとも無くなっていました。最初に起きたのが車を運転中だったので、その後しばらくは怖くて車に乗れませんでした。特に路肩のない道路、トンネル、橋が怖くて前方に見えてくるだけで動悸がし、息苦しくなって引き返したりしていました。あと、家に一人だけでいることを考えただけで息ができなくなりました。当時このような症状を医者に伝えても甲状腺亢進症以外の病気を疑われなかったのですが、これも本当に甲状腺亢進症の典型的な症状なのでしょうか。現在もこのような症状が出ます。

  3. 現在も心拍数が多く、息苦しい状態なのですが、こういうときはベータ・ブロッカーを飲んでもいいのでしょうか。医者に頼んだのですが、そういう一時しのぎ的な薬は使いたくないと断られてしまいましたが。

宜しくお願いします。

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Oyaji's reply
  1. 抗甲状腺剤中止後に再発した場合は、普通は手術かアイソトープ治療(放射線治療)を勧めます。アメリカでは、90%のバセドウ病患者がアイソトープ治療(放射線治療)を受けています。日本では、抗甲状腺剤の治療が70〜80%です。
    アメリカの医師の考え方は、バセドウ病のアイソトープ治療(放射線治療)を行う場合は、最初から甲状腺機能低下症になる量を投与します。そして、3〜4ヶ月くらいしてから、甲状腺ホルモン剤を投与するわけです。あなたが飲んでおられるレボキシルという甲状腺ホルモン剤は、日本ではチラージンSといいます。25μgと50μgの2種類しかありません。合成したヒトT4です。レボキシルは11種類の量がありますね、良いですね。現在、レボキシルが少し効きすぎていますが、これはクスリを減量すれば、問題ありません。ただ、甲状腺ホルモン剤は一生涯服用する必要があります。日本でも、アイソトープ治療(放射性ヨード治療)10年後には50%で甲状腺機能低下症に陥ります。これが、アイソトープ治療の唯一の欠点です。わたしは、あなたの受けた治療は間違いではないと思います。

  2. パニックディスオーダーからバセドウ病になることはないと思います。昔から、バセドウ病のストレス原因説はありますが、証明されたことはありません。ただ、パニックディスオーダーやストレスがバセドウ病発症の引き金にはなる可能性はあります。

    反対に、未治療のバセドウ病があると、パニックディスオーダーに似た症状がでることはあると思います。しかし、あなたの場合は、現在もパニックディスオーダーの症状がでていますので、バセドウ病とは関係ないようですね。現在は、甲状腺ホルモン剤で甲状腺ホルモンはほぼ正常ですので。

  3. 多分、交感神経緊張状態なのでしょう。そのようなときには、ベータブロッカーは飲んでもいいと思います。随分、楽になります。先生に頼んで、処方してもらいなさい。

何かあれば、いつでもメールをどうぞ。Good luck!!

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