コミュニケーション > 公開コーナー > 慢性甲状腺炎・甲状腺機能低下症 > |
|
No.144 | 女・39歳 |
質問させてください。甲状腺がもう15年以上も腫れている状態でしたが、一度調べてもらい心配ないということでした。しかし、最近病院に行く事があり、甲状腺の腫れを指摘され、検査したところ、血液の甲状腺の値が正常範囲ぎりぎりということで(詳しい値は解りません)、チラージンSの内服をすすめられました。ほかにこれといった症状はなく、内服した方がよいのかどうか迷っています。ホームページで読むと特に副作用はないようなので飲んでみようかとは思っているのですが、少し不安もあります。アドバイスよろしくおねがいします。 | |
あなたの病気は多分、慢性甲状腺炎だと思います。慢性甲状腺炎では甲状腺の腫れが小さい時は、チラージンSを服用する必要はありません。人が見て甲状腺の形が見えるようだとかなり腫れていますので、チラージンSを飲んで腫れを小さくする治療をします。甲状腺機能が正常な人はチラージンSをちゃんとした量を飲んでも容積が2/3以下に縮む確率は40%です。甲状腺機能が低下している人の場合は、チラージンSをちゃんとした量を飲むと80%の人で容積が2/3以下に縮みます。あなたの場合は甲状腺機能が正常のようですので、縮む確率は少し低いのですがやってみる価値はあります。ここでわたしの言っているちゃんとした量というのは血中TSH値を正常以下に抑制するチラージンSの量のことです。甲状腺ホルモン剤(チラージンS)を飲むと、血中では甲状腺ホルモンが少し高くなります。この少しの変化を脳にある下垂体が感知してTSH(甲状腺刺激ホルモン:脳下垂体からでるホルモン)を出さなくして、甲状腺ホルモン値を正常にしようとします。その結果、血中TSH値が下がります。TSHは甲状腺のはたらきを刺激しますが、同時に甲状腺を膨らませる作用も持っています。だから、このTSHの持っている甲状腺を膨らませる作用を弱めて、甲状腺を縮めようという治療で、TSH抑制療法といいます。閉経後の女性ですと、この治療で骨粗鬆症になりやすいので、注意を要しますがあなたのような閉経前の女性や男性では心配ありません。TSHと甲状腺ホルモンの調節は、わたしのHPの次のページに書いてありますので、参考にしてください。 ●http://www.j-tajiri.or.jp/navi/beginner/index.html また、慢性甲状腺炎のチラージンSで縮める治療についてはわたしのHPの次のページを参考にしてください。 ●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/05.html |
|←133|…[もどる]…|151→| |