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No.118 | 女・30歳 |
23歳の時に、甲状腺のしこりが見つかり大学病院へ行き検査をした結果、結節性甲状腺腫と診断され即入院!手術となりました。このHPを読みましたら、甲状腺腫の場合はまず薬など試して効果がない場合手術をすると書かれてましたが、私の場合も手術する必要があったのかな?と思い質問させて頂いてます。細胞の種類は好酸性細胞腫と言われました。そして、今でも3ヶ月に一回はT4・T3の検査と半年に1回はX線、1年に1回はCTをしています。あと、甲状腺の病気は遺伝すると言われ結婚破棄になりました。いろんな本を読んだりしましたが、結節性甲状腺腫の事は書かれてません(バセドウetcは遺伝といわれてるが)。本当の所は遺伝するのでしょうか?私の質問2つに回答のほどよろしくお願い致します。 | |
結節性甲状腺腫に対する甲状腺ホルモン剤によるTSH抑制療法(あなたの言うクスリの治療のことを医学的に言うとこのような難しい名前になります)の効果については、一致した意見はありません。わたしの経験では、甲状腺ホルモン剤を十分量投与し、TSHを抑制できた症例では、腫瘍の体積が半分以下になる率は28%でした(医学的には体積が半分になると効果ありと判断します)。これは、わたしのHPの次のページの通りです。 ●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/07.html しかし、甲状腺ホルモン剤は効かないという考えが世界的にも、日本でも主流です。この治療が有効であるとする研究の有効率もわたしの率とほぼ同じです。わたしは、自分の経験で確信を持って、まず甲状腺ホルモン剤で治療しています。いろいろな人の研究結果はわたしのHPの次のページの【表1】をご覧ください。 ●http://www.j-tajiri.or.jp/source/treatise/005/index.html しかし、あなたの場合は好酸性細胞腫という濾胞腺腫です。このタイプは穿刺吸引細胞診で濾胞癌の疑いありとでることがありますので、手術をしたのは正解です。幸いに、癌でなく良性だったのでよかったですね。良性腫瘍の場合のフォローアップとしては、少し検査をし過ぎです。これは、甲状腺癌の場合のフォローアップのやり方です。本当に、良性だったのかどうかもう一度、主治医の先生によく聞いてみられては如何でしょう。本当に良性なら、年1回の診察で十分です。あと一つの質問ですが、結節性甲状腺腫は基本的には遺伝しません。難しくなりますが、結節性甲状腺腫のなかでも腺腫様甲状腺腫は遺伝する家系を稀に経験します。結節性甲状腺腫には、腺腫(あなたの場合これです)、嚢腫、腺腫様甲状腺腫と3つあります。このことは、わたしのHPの次のページを見てみてください。 ●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/07.html 結婚破棄になったことは、大変残念なことです。そのとき、医師に相談して先方のご両親によく説明してもらわれたら良かったのにと思います。情報が足りないための不幸な結末は今でも、あります。そのためにも、患者さんに正確な情報を知ってもらいたくて、このようなHPを作りました。あなたも、甲状腺の病気、特に結節性甲状腺腫についてよく勉強し、医師を質問詰めにしなさい。そうすれば、それに対して答えてくれます。難しいかもしれませんが、わたしのHPの次のページを参考にしてください。シコリについてかなり詳しく説明してあります。 ●http://www.j-tajiri.or.jp/source/treatise/index.html |
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