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181

No.181 男・35歳
初めてアクセスさせていただきました。
私のことでお伺いします。

昨年5月、腰痛の原因を検査するために、某大学病院整形外科で腰椎と頸椎のMRIの検査を行いました。
腰椎には椎間板ヘルニアがありましたが、頸椎には幸い異常がありませんでした。
しかし、この時偶然、甲状腺に腫瘤状の病変が発見され、(私の記憶では、T2画像?に白い高信号がみられたはず)ただちに、同院第3内科(私はここで10年近く膵臓炎と逆流性食道炎の治療を受けているが、内分泌の先生もいらっしゃる)で超音波検査を受け、甲状腺右葉下部に腫瘍が発見されました。
以来、1年あまりの間、3ヶ月に1回ぐらいの頻度で超音波検査を受けています。
最近(8月28日)の検査では、腫瘍の大きさは、上下52mm×左右28mm×奥行き28mmで、大きさは、発見されてからはほとんど変化していません。
腫瘍の輪郭は素人の私がみてもわかるぐらい明瞭です。
また、腫瘍そのものも柔らかく(自分でも分かる)、形も楕円形でいびつなところはありません(腫瘍が下の方にあるので、飲みこむ様にしないとなかなか触れませんが)。
ただ、発見されたときは均一だあった内部エコーが最近では、不均一になっています。
甲状腺ホルモンの検査値や腫瘍マーカーの数値は正常値です。
細胞診については、すすめられてはいますが、恐怖心からまだ行ってはいません。
(やっぱり首に針を刺されるというのは怖いのですよ。
私も今までにRRCPのようなきつい検査を受けてきたのですから、おかしいかのかもしれませんが、敏感な首に針を刺すなんて…)

さて、そこでお伺いしたいことなのですが、
  1. 私のこの腫瘍が悪性である可能性はあるのでしょうか。

  2. 細胞診を進められているが、超音波だけでは、やはり不十分でしょうか。

  3. 良性であれ悪性であれ、腫瘍が大きいので、首を右へ向けにくいことがあります。そういえば、数年前から、首を右に向けると、首が痛くなってくることがよくありました。今でも首が突っ張る感じがします。さて、このような腫瘍は手術して、切除すべきでしょうか。

  4. 昨年の暮れ頃から、腫瘍のある側である右の肩が痛むことがあります。反対の左の肩は全く痛くありません。この肩痛は甲状腺腫瘍の影響でしょうか。整形外科で伺ったところ、その可能性もあるということでした。もし、腫瘍のせいだとしたら、どのようなメカニズムで痛くなるのでしょうか。
これらの点どうかよろしく教えて下さい。とくに、4)で記した、甲状腺腫瘍と肩痛との関係がよく分かりません。
単なる偶然の肩痛かもしれませんが、どうかよろしくお願いします。
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Oyaji's reply 一つずつお答えします。
  1. 腫瘍は大きいですが、柔らかいので良性の可能性が高いと思います。しかし、直径が3cmを越える場合は、濾胞癌も否定できないために普通は手術を勧めます。あなたの甲状腺結節は最大径が5.2cmありますので、手術した方が安全です。

  2. 細胞診は必須です。それだけで、診断が決まることもあります。ただ、細胞診では濾胞癌の診断ができないのが、唯一の欠点です。特に最近、超音波で内部エコーが不均一になってきているのが、気になります。やはり、細胞診は受けるべきです。針は採血針と同じ太さです。針を刺している時間も数秒で、大変安全な検査です。

  3. 1. でも言いましたが、良性でも直径が3cm以上のときは、手術をする方が安全です。理由は上に述べた通りです。

  4. 腫瘍が甲状腺内にあるのなら、頚神経や上腕神経叢を圧迫することは考えられません。この頚神経や上腕神経叢を圧迫すると肩や腕の痛みがでます。あなたの場合、肩の痛みは甲状腺の腫瘍とは関係ないと思います。
以上より、私の意見としては、まず穿刺吸引細胞診を受けて手術の適応を決めるべきです。その際も、甲状腺専門医に診てもらうのが良いと思います。東京には甲状腺専門医が多いですね。わたしのHPの各地の専門医のページを参考にしてください。
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