[01]医師はどうやっていろいろな甲状腺機能亢進症の一つと診断を下すことができるのですか? |
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初期診断は大体次のような理学的検査(視診、触診、聴診)だけですみます。 |
- 肥大した甲状腺
- 心拍が速い(心悸亢進)または心臓の動悸
- 皮膚が滑らかで、ベルベットのような皮膚
- 指先の震え
- グレーブス病(バセドウ病)に関しては、目と皮膚は第1部に述べたとおりです。
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その他の症状は |
- 疲労
- 手のひらが湿っぽい。
- 体重減少
- 髪が細くなり、縮れてくる。
- 落ち着きがなく、じっとしていない。
- うつ病
- 食欲亢進
- 性欲の変化
- 筋肉の弱り、特に上腕部とふともも
- 注意力が続かない。
- 暑さに弱い。
- 汗をかく量が増える。
- 神経が過敏になり、すぐいらいらする。
- 睡眠中に何度も目が覚める、または不眠症
- 気まぐれな行動
- 女性では、月経周期が不規則になり、量が減ってくる。
- 不妊症、反復性流産
- 腸が頻繁に動く。
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特に家族の中に次のような異常がある人がいれば、家族歴も診断の手がかりとなります。 |
- 甲状腺機能亢進症か機能低下症のどちらかに罹ったことがある。
- 20代から白髪になり始めた。
- 若年性糖尿病のような免疫系の病気に罹ったことがある。
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必ず一般血液検査を行い、甲状腺ホルモンのレベルが異常に高く、脳下垂体で作られる甲状腺刺激ホルモン(TSH)のレベルが低いことがはっきりすれば最終的な診断が下されます。TSHのレベルが低いことが、いちばん信頼性の高い甲状腺機能亢進症の検査です。まれに、脳下垂体が過剰なTSHを作ることがあります。そのような例では、血液中のTSHと甲状腺ホルモン両方のレベルが高くなっています。それに加えて、甲状腺刺激抗体(TSAb)または甲状腺刺激免疫グロブリン(TSI)の測定が行われることもあります。
最後に、甲状腺の活動が活発すぎるのかどうか見るために、放射性ヨード(RAIといいます)を飲んで、甲状腺の放射線画像を撮影することもあります。この甲状腺の活動が活発すぎるのがグレーブス病(バセドウ病)の特徴ですが、甲状腺の中にある活発すぎる結節またはしこりではそうではありません。 |