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昨年の7月16日から外来アイソトープ治療を始め、2000年10月9日までに、延べでバセドウ病361例、プランマー病11例を治療しました。甲状腺への平均吸収線量は6,500radです。わたしのクリニックの年間に訪れる新患数は約1,200人です。開業してアイソトープ治療を始めるまで、約6年半です。単純計算するとその間に来院した新患患者は約8,000人になります。
例えをあげれば、神戸の隈病院が年間の新患数が約7,000人で、アイソトープ治療(これは甲状腺癌も含めて)が年間377人です。わたしのところのような小さなクリニックでこの一年間にこれだけの数のアイソトープ治療ができたのは、それまでにクスリで治らないけれど、他の治療を受けたくなかった人が外来でアイソトープ治療が、それもわたしのクリニックでできると分かって、クスリよりアイソトープ治療を選択したというわけです。好きでクスリを飲んでいたのではなく、仕方なくクスリを飲んでいたのだなと思いました。多くの場合は、誰しも早く治りたいわけです。でも、仕事の都合、家庭の事情などで入院できなかったわけです。そのような人たちが、アイソトープで治っていっていますから、これからはうちのクリニックの規模なら、年間50〜100例程度でしょう。アイソトープ治療で明け暮れた一年でした。
バセドウ病は抗甲状腺剤では30%しか治りません。かといって、手術をする必要はないと思います。特に、最近は年令も15歳以上ならアイソトープ治療の適応になるという考えになってきています。以前のように、若い人は手術という常識が覆される日も近いと思います。若い人こそ、傷の残らないアイソトープ治療が適していると思います。ただ、アイソトープ治療後にTSHレセプター抗体が一時的に高くなりますので、1〜2年以内に妊娠する可能性のある人は慎重に経過をみる必要があります。 |
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