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210

No.210 男・29歳
はじめまして、妻のことで相談したいことがあります。
私の妻もNo.208の大阪の方と同じく乳頭癌の診断を受け、先日、手術をしました。甲状腺の3分の2の摘出手術です。
前日にCTの結果をみて、主治医は手術にたいしてはそんなに難しくはないとの事で、安心をしていました。
ところが、手術の結果2番と3番のリンパ節に転移が確認されたと言われました。
本人にもその事は話していません。
乳頭癌は進行が遅く完治しやすく、また、生存率もよいと理解していました。
そこで質問ですが、
  1. 転移することにより命に多大な影響があるのか?
  2. 骨や肺に転移した場合の治療方法は?
  3. またその治療効果は?
先生のアドバイスの結果を主治医と相談して今後頑張っていきたいと思いますので以上の3点について、申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
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Oyaji's reply 一つずつお答えします。
  1. 甲状腺乳頭癌の場合、頸部リンパ節転移の有無は予後には関係しません。小さなリンパ節転移も入れると90%の症例で頸部リンパ節転移があります。特に、奥さんの場合、2番:気管前リンパ節、3番:気管傍リンパ節は転移しやすい場所です。リンパ節は11番まであります。年齢が若い人は特に予後が良いのです。生存曲線を見てください。このように、大変予後が良いのが、特徴です。
    http://www.j-tajiri.or.jp/source/treatise/010/fig-03.html

  2. 骨や肺に転移した場合には、まず残った甲状腺組織を手術ですべて切除するか131-I治療で甲状腺組織を破壊します。奥さんの場合は甲状腺亜全摘術を受けられています。そして、大量の131-Iを投与して治療します。転移した甲状腺癌組織に131-Iが取り込みやすいように甲状腺組織はすべて取るのです。骨の転移部に131-Iの取り込みがない場合には、外から放射線照射することもあります。

  3. 治療で完全に治るのは、遠隔転移部に放射性ヨード(131-I)を取り込む患者の45%です。特に、若い患者や肺転移の小さい症例で効き易いと言われています。遠隔転移部への放射性ヨード(131-I)治療については、わたしのHPの次のページを参考にしてください。
    http://www.j-tajiri.or.jp/source/treatise/010/index.html
    少し、難しいかもしれませんが、挑戦してください。
甲状腺癌については、次のページを参考にしてください。
http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/08.html
多くのリンクがありますので、参考にしてください。

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