|
血中甲状腺ホルモン値が正常で、血中TSH値のみが0.05以下の感度以下の場合を潜在性甲状腺機能亢進症と言います。甲状腺ホルモン値は正常範囲にあるのですが、あなたの体はその値を高いと感じているのです。甲状腺ホルモンの正常値はそれぞれの人で決まっています。正常値というのはあくまでも95%の人が入る範囲のことです。その範囲より少しはずれた正常者は5%居るわけです。あなた自身の甲状腺ホルモンの正常値より高くなると、脳にある下垂体というところが敏感に感知し、これ以上甲状腺ホルモンを高くしないように、下垂体からTSH(甲状腺刺激ホルモン)を出さないようにします。TSHは甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンを沢山作らせるホルモンです。このTSHと甲状腺ホルモンの調節については、わたしのHPの次のページを参考にしてください。
●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/beginner/index.html
あなたの状態は常に下垂体が甲状腺ホルモンを高いと感じているために、血中TSHがいつも、感度以下になっています。高齢者ですと、この状態を長く続けると、心房細動や骨粗鬆症になりやすいと言われています。しかし、あなたの場合は若いですので、治療の必要はなく経過をみるだけで良いでしょう。ただ、これから甲状腺ホルモン値が高くなってきて、症状がで出現してきたら、治療を要します。それと、潜在性甲状腺機能亢進症の原因ですが、次の3つが考えられます。
- バセドウ病の初期:この場合は時間が経ってくると症状がでてきます。バセドウ病は分かりますよね。わたしのHPにも頻繁に出てくる病気ですので。
- 無痛性甲状腺炎:慢性甲状腺炎の人で一時的に甲状腺ホルモンが高くなる病気ですが、経過をみていると3〜4ヶ月で正常になります。それについては、わたしのHPの次のページを参考にしてください。
●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/03.html
- 甲状腺機能性結節(単発性または多発性):これはシコリが甲状腺ホルモンを過剰に産生する病気です。それについては、わたしのHPの次のページを参考にしてください。
●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/09.html
少し難しいですが、わたしのHPの次のページも参考にしてください。
●http://www.j-tajiri.or.jp/source/treatise/005/index.html
中毒性良性甲状腺結節のところをお読みください。
何にしろ、今のところは経過を見るだけで充分です。 |