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バセドウ病

バセドウ病の症状とはどのようなものでしょう?
もし、あなたがバセドウ病になったとしても、症状として気付くのに、数週間か数ヶ月かかるかもしれません。発症は緩やかであり、また、症状は生活上のストレスによる、単なる神経症と間違われることもあります。もしあなたが、ダイエットによって減量を試みているのならダイエットは当初、満足のいくものでしょう。しかし、甲状腺ホルモンがたくさん出すぎてもっと体重が減るとか手のふるえや、腕と太ももの筋力低下や不眠症のような他の症状がでる頃にはおかしいと感じ始めます。甲状腺の働きがだんだん活発になるにつれて、脈が速くなり、動悸(ドキドキ)を感じるようになったり、汗をかきやすくなり、暑さに弱くなります。肌はしっとりとして、髪が痛み易くなるので枝毛に気付くようになります。多くの場合、腸の働きがよくなりますが、下痢はあまり見られません。もし、あなたが女性ならば(バセドウ病は4倍から8倍女性に多い)、月経量は少なくなり、月経周期は長くなることもあります。
眼や肌についてはどうなのでしょう?
バセドウ病は、眼の炎症や眼周囲の組織の腫れ、そして眼の突出と関連する唯一の甲状腺機能亢進症です。これらの症状の原因は不明です。多くのバセドウ病の患者は、病気の過程で目の充血と炎症を経験します。永続するひどい眼症状を引き起こす人は1%未満程です。眼の症状の重症度は、甲状腺ホルモン値の高さとは関係ありません。最初の症状としては、眼球の後部組織の炎症による眼球突出、復視、眼の充血、視力低下などです。眼症状は一般にバセドウ病と診断される前後6ヶ月以内に現れます。たまに、バセドウ病患者はむこうずねの前部の皮膚がこぶの様に発赤して厚くなります、これは前脛骨粘液水腫として知られています。この皮膚症状は通常痛みもなくあまり問題になりません。そして、バセドウ病の眼症状のように、甲状腺機能亢進症になった時同時に症状がでるわけではありません。症状の重症度は甲状腺ホルモンのレベルとは関連していません。何故この症状が通常下肢に限られているのか、この症状の原因も不明です。
バセドウ病の検査はどのようにして行うのでしょうか?
もし医師が、甲状腺機能亢進症を疑ったらその診断は簡単なものです。診察で甲状腺の腫れ、動悸、それに加えて皮膚のしっとり感、指先の振るえが明らかになます。腱反射(例えばアキレス腱など)が速くなり、前に述べた眼や皮膚の症状もみられます。家族歴を調べることも、しばしば甲状腺機能亢進症の診断の手助けになることがあります。
親類の中には甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症の人がいるかもしれないし、若白髪(特に20代の人で)の人がいるかもしれない。同様に家族内に若年性糖尿病、悪性貧血(ビタミンB12不足によるもの)、白斑などの自己免疫疾患をもっている人がいることがあります。
血液検査をすることで血中甲状腺ホルモンが高いということを証明すれば、甲状腺機能亢進症は簡単に診断できます。また、脳下垂体で作られるTSH(甲状腺刺激ホルモン)は低い値を示します。時折医師は血液中の甲状腺刺激抗体(TSAb)を測定したり、放射性ヨードによるシンチグラム検査で甲状腺全体が働きすぎているのをみることができます。放射性ヨードの甲状腺全体への取り込みはバセドウ病の特徴であり、甲状腺機能亢進症が甲状腺結節によるものではないということが分かります。特に甲状腺の炎症のために甲状腺ホルモンが高くなっている患者がいますが、この場合は甲状腺への放射性ヨードの取り込みは著しい低値を示します。
どのようにしてバセドウ病を治療するのでしょうか?
安静と鎮静のみが唯一の治療法であった1800年代の頃は、バセドウ病の死亡率は5割を越えていました。幸いにも、現在では3つのよい治療方法があります。
薬 物
プロピールチオウラシル(PTU)やメチマゾール(メルカゾールのこと)などの抗甲状腺剤はヨードを原料として甲状腺ホルモンを作るのを阻害する作用をもっています。結果として甲状腺ホルモンの生産は減少します。これらの薬は、甲状腺機能亢進症の症状をすばやく改善したいとき、甲状腺機能亢進症の症状の軽いとき、又は子供や若者などに使います。又、甲状腺機能亢進症がひどいとき、心臓の症状が悪化する可能性のある狭心症や不整脈をもつ年配患者では、抗甲状腺剤の一時的な治療は特に有用です。12ヶ月から18ヶ月間の抗甲状腺剤による治療で、20〜30%の患者で永続的な寛解がみられます。治療の初期に病気の程度が軽い人ほど、クスリで治りやすい。抗甲状腺剤を服用中患者の約5%で、アレルギー反応を起こします。普通みられる軽い副作用は、蕁麻疹、そして、時に発熱や関節痛です。最も重篤な副作用は、白血球の一種の好中球が減少することです。好中球が減ると抵抗力が低下し、細菌などに感染しやすくなることです。大変まれですが、白血球が完全に消失するかもしれません。もし重大な感染が起これば、極めて重篤で命に関わるような問題になります。この状態を無顆粒球症を言います。もし、あなたがそれらのクスリをのんでいて、喉が痛くなったら、直ちにクスリを止めなければいけません。そしてその日のうちに直ちに白血球の数を調べてもらいなさい。たとえ、クスリのために白血球が低下したとしても、直ちにクスリを止めれば白血球は正常に戻るでしょう。しかし、白血球の数が低いにもかかわらずそのクスリを飲み続けたら、より重篤な生命に危険を及ぼす感染症になる可能性があります。
放射線治療(アイソトープ)
ほとんどの患者では抗甲状腺剤では治りにくいので、今日では多くの患者は放射性ヨード治療を受けます。この治療法に使用される放射性ヨードは小さなカプセルの形としてや、水に混ぜて飲みます。数時間で、放射性ヨードは胃から血液中へと入り、甲状腺細胞を破壊するのに十分な時間、甲状腺のなかにとどまります。それから数日で、尿中に排出されますが、放射能の半減期により非放射性の状態へと変化し、体の中から出ていきます。多くの患者は3〜6ヶ月後には良くなりますが、アイソトープの投与量が少ないと甲状腺機能亢進症は治りません。甲状腺機能亢進症が治らない患者は2回から3回の放射性ヨード治療を受けることもあります。患者の大半は、放射線治療後甲状腺機能低下症に陥ります。甲状腺機能低下症に対しては、甲状腺ホルモン剤をのむことで容易に治療することができます。
放射性ヨードは、1940年以来甲状腺機能亢進症の患者を治療するのに使われています。放射性ヨードが身体の中で他の細胞に損傷を与え、腫瘍ができたり、長期間の望ましくない効果がでるのないかとの心配のために最初、放射線治療を行った内科医は注意深く成人のみ治療し、彼らのその後の人生を注意深くフォローしました。運良く約50年間、患者をフォローしても放射線治療から危険な合併症はでてきていません。結果として、アメリカでは成人の甲状腺機能亢進症も70%以上がこの方法で治療されています。さらに今では子供も放射線治療を受けることが多くなってきています。これらの患者でさえもほとんどが、合併症を起こしません。
手 術
バセドウ病は甲状腺の大部分を手術により切り取れば永久に治すことができます。バセドウ病をまず、以下に述べる如く抗甲状腺剤か、ベータ遮断剤でコントロールしないで手術することは危険です。プロピルチオウラジル(PTU:日本では商品名をチウラジールまたはプロパジールといいます)、タパゾール(日本ではメルカゾールといいます)で治療すると甲状腺ホルモン値は約6週間以内に正常へ低下し、手術前は、体調はほとんど正常な状態に戻ります。
通常、手術前に内科医は、ヨード剤(ルゴールといいます)を液として数滴投与するでしょう。この特別なヨードを与えることによって外科医は手術をより安全に行えます。
一旦、甲状腺を取り除くと、甲状腺ホルモンを作り出す量が減るために甲状腺の働きは正常になるでしょう。しかし、切除する量が多すぎると甲状腺機能低下症になることもあります。バセドウ病の放射性ヨード治療後と同じように、手術後も甲状腺機能低下症に陥ったとしても、甲状腺ホルモン剤をのんで健康状態を正常に取り戻すことができます。
ベータ遮断剤
上記に述べたバセドウ病治療のどれを選んだとしても、その治療に加えて内科医は、アテノール(テノーミン)、ナドロール、メトプロロールか、プロプラノール(インデラール)などのベータ遮断剤を処方することがあります。これらのベータ遮断剤は身体の組織に対する血中甲状腺ホルモンの働きを弱めて、脈拍をゆっくりにし、イライラも軽減させます。これらのクスリは、上記の3つの治療が効いてくるまでの間、自覚症状を軽減するのに非常に役立つかもしれません。喘息や心不全をもつ患者では、これらのクスリは喘息や心不全の症状を悪くするので使用してはいけません。また、インスリン使用中の糖尿病患者では、ベータ遮断剤使用中の場合、低血糖の自覚症状が分かりにくくなることがありますので注意を要します。
治療の結果はどうなのでしょうか?
たとえ、どのような治療法で甲状腺機能亢進症を治療したとしても、いつかは甲状腺機能低下症になる可能性があります。これらは多分、自然の経過として甲状腺の軽い炎症(慢性甲状腺炎)の為に甲状腺機能低下症になりやすいのでしょう。アイソトープ、又は手術による治療法では早い時期に甲状腺機能低下症になるでしょう。しかし、たとえ抗甲状腺剤薬だけで治療したとしても、甲状腺機能低下症になることがあります。バセドウ病の自然経過として、長期間経ってから甲状腺機能低下症になることがあるので、バセドウ病による甲状腺機能亢進症になったことのあるすべての患者は、年に一回甲状腺機能測定をすべきです。甲状腺ホルモン値が低くなると下垂体でのTSHの産生が増えます。それゆえに、血液中のTSH高値は甲状腺機能低下症の最も敏感な指標なので、毎年の甲状腺機能検査には血中TSHを測るべきです。
甲状腺機能低下症になっても、1日1回甲状腺ホルモン剤をのめば簡単で安全に治療ができます。昔使っていたブタやウシなどのような動物の甲状腺ホルモン剤は効きが一定していなかったために、現在では内科医は、甲状腺機能低下症を治療する際にはサイロキシン(T4)そのものを含む薬剤を処方するでしょう(日本ではチラーヂンSです)。

甲状腺機能亢進症の原因は何でしょう?
甲状腺機能亢進症の患者の70〜80%にびまん性中毒性甲状腺腫が見つかりますが、これは血液の中の抗体が甲状腺を刺激し、甲状腺の成長を促して多量の甲状腺ホルモンが分泌されるようになるものです。このタイプの甲状腺機能亢進症は遺伝する傾向がありすが、なぜ特定の人にこの病気が起こるのかということは、まだわかっていません。また、なぜ甲状腺の機能が時々活発になり過ぎるのかもわかっていません。何らかの理由で一つまたはそれ以上の結節の活動が徐々に活発になり、その結果分泌される甲状腺ホルモンの総量が正常より多くなるのです。甲状腺炎は感染によって引き起こされると考えられていますが、原因となる特定のウィルスや細菌は特定されていません。
甲状腺機能亢進症の診断はどうやってするのでしょうか?
医師が甲状腺機能亢進症を疑った場合は、まず血液中の甲状腺ホルモンの量をはかり、診断が正しいかどうか確かめます。もし、この検査でホルモンの量が境界線上にある時は、医師は甲状腺の活動が活発になり過ぎているのかどうかを知るために、もっと感度の高い血清TSH(甲状腺刺激ホルモン)を調べる血液検査を行ないます。
これらの検査が甲状腺機能亢進症であることを示していたら、医師は甲状腺全体の活動が活発になり過ぎているのか、それとも中毒性甲状腺腫や甲状腺炎(甲状腺の炎症)があるのかを調べるため、甲状腺の写真を撮る(甲状腺スキャン)ことにするでしょう。
甲状腺機能亢進症のいちばん良い治療法は何でしょうか?
すべての患者にとって一番いい治療法というものはありません。医師が治療法を選択するにあたっては、様々な要素が影響してきます。それには、年齢や甲状腺機能亢進症のタイプ、よい甲状腺外科医にかかれるかどうか、薬に対するアレルギー、またそれ以外の健康に影響する可能性のある内科的状態があります。
薬 剤
医師が、血液中の甲状腺ホルモンの量を減らすことにより甲状腺機能亢進症の治療を行なうことにした場合は、抗甲状腺剤として知られているメチマゾール(日本では商品名メルカゾール)またはプロピルチオウラシル(PTU、日本では商品名チウラジールまたはプロパジール)などの薬剤が処方されます。これらの薬剤は、甲状腺で使われるヨードを甲状腺が利用しにくくするものです。甲状腺が甲状腺ホルモンを作るのにヨードを使うため、結果的に甲状腺ホルモンの産生量が減ることになります。
放射性ヨード
甲状腺機能亢進症のもう一つの治療法は、甲状腺ホルモンを作っている細胞に損傷を与える方法です。これらの細胞は甲状腺ホルモンを作るのにヨードを使うため、血液の中からどのような形のヨードであっても取り込みます。
1930年代後半に、医師が甲状腺が放射性ヨードを正常な非放射性ヨードとまったく同じように取り込むことを見出し、この観察から放射性ヨードを使った治療法が生まれました。この治療法では、医師が放射性ヨードを含んだ無味無臭のカプセル、または液体の飲み薬を出します。この薬を飲むと、放射性ヨードが血液中の入り、活動が強すぎる細胞がすぐにこれを取り込みます。数週間の間(この期間中に甲状腺機能亢進症の症状をコントロールするための薬剤療法が行われることがあります)に、放射性ヨードがそれを取り込んだ細胞を壊します。この結果、甲状腺のサイズが縮小し、甲状腺ホルモンの産生も落ち、血液中のレベルが正常に戻ります。
医師は、この病気をコントロールするために必要な放射性ヨードの最適量を計算するため、あらゆる努力を払っていますが、それでもすべての人がこの治療を受けた後に正常な状態に戻るわけではありません。治療前より症状は軽くなったものの甲状腺機能亢進状態のままである患者も時たまおります。このような人には、必要があれば2回目の放射性ヨード治療を行ないます。もっと一般的には、治療の2〜3ヶ月後に甲状腺機能低下症(甲状腺の活動低下)が起こるのが普通です。実際に、放射性ヨードで治療を受けたほとんどの患者で、治療後数ヶ月から、あるいは何年も経ってから甲状腺機能低下症がおこります。幸いに、甲状腺機能低下症は、甲状腺が作ることができなくなった甲状腺ホルモンを1日1回補うだけで、簡単に治療できます。この甲状腺ホルモン剤は生涯飲み続ける必要があります。
外科手術
時に、甲状腺機能亢進症のある患者に、医師が甲状腺の一部を取り除く手術を勧めることがあります。甲状腺組織の単一の結節、またはかたまりが過剰に活動している場合は、この手術は直接的な治療となります。このような患者では、活動が活発になり過ぎた部分を含む甲状腺の一部を取り除くことにより、残りの組織は正常な機能に戻ります。
その一方で、活動が活発になりすぎた結節がたくさんあったり、甲状腺全体の活動が高すぎる場合は、医師は患者の健康を取り戻すため、甲状腺の大部分を取り除かなければなりません。そのような場合は、普通手術の後で甲状腺機能低下症が起こり、患者は甲状腺ホルモン剤を一生飲み続けなければなりません。
しかし、甲状腺の大部分を取り除くことにより、患者に甲状腺機能亢進症が残る危険性は著しく減少します。甲状腺の手術に関する考慮すべき要件は、大事なことですが複雑でもあります。したがって、医師がこの形の治療を勧めた時は、他に代わりの治療法があるのかどうか、また予定された手術の性質や範囲、外科医師の選択などについて十分に話し合う必要があります。患者がこの手術の必要性について納得できなかったり、よく分からない時は、セカンドオピニオン(他の医師の意見)を求めるのもよい方法です。
その他の治療法
ベータ遮断剤として知られている種類の薬剤は、体内の甲状腺ホルモンの作用を遮断し、普通は何時間かの間に気分がよくなってきます。しかし、この薬は血液中の甲状腺ホルモンのレベルを変えることはありません。プロプラノール(商品名インデラル)は最初に開発されたものです。これに類するもので、アテノロール(商品名テノーミン)やメトプロロール(商品名ロプレッサー)、ナドロール(商品名ナディック)およびインデラル-LA(商品名)などのような作用時間の長いベータ遮断剤が、1日1〜2回の投与で済むため、好んで使っている医師もいます。
甲状腺炎のため甲状腺機能亢進症が起こっているものを除き、これらの薬剤だけで治療を行なうことはなく、他の甲状腺自体に対する直接的な治療と組み合わせて使われるのが普通です。

バセドウ病でアイソトープ治療を受けるとしてもそれは甲状腺癌を合併しているわけではないのですね?
バセドウ病は悪性疾患ではありません。
4人の子供が居ますが、将来バセドウ病になりますか?
もちろん必ずバセドウ病になるとは限りません。しかし、バセドウ病や橋本病のような自己免疫性甲状腺疾患になる可能性はあります。
バセドウ病を治療し始めると太りますか?
もし体重が減っていたら、体重は元に戻ります。元々太ってないのなら、治療後にもと以上に太ることはありません。
夜間動悸がして目覚めます。どうしたらいいですか?
ベータ・ブロッカーを飲むと動悸がおさまります。
以前は、暑い気候が好きでした。しかし、今は暑さに耐えられません。8月に家族とスペインに行く予定です。キャンセルすべきでしょうか?
今は4月です。8月までは甲状腺機能は落ちつくでしょう。8月頃にはスペインの気候もきにならないでしょう。旅行は行ってよいです。
子供を叱りつけたり、夫と口論がたえません。どうしたらいいでしょうか?以前は、忍耐強く人と争うことはありませんでした。
しばらくベータ・ブロッカーをのんで、甲状腺の働きが落ちついて来ると気持ちもやわらいできます。
どの治療方法が自分に向いていますか?
あなたの状況や3つの治療の利点や欠点を考慮して決めます。欠点・利点をお互いに話しあいましょう。そして、最終的にどの治療があなたに適しているかを自分で決めてください。
手術したら傷は目立ちますか?
殆どはそんなに目立つことはありません。通常は一本の皺のようになってしまいます。

アイソトープ治療は、どのようにしてするのですか?
カプセルを飲むだけです。原則として、1回飲むだけです。普通、カプセルを飲んで4〜6ヶ月して効いてきます。それまでは、今まで飲んでいたクスリをいっしょに飲んでもらいます。効果がないときは、最初カプセルを飲んでから6ヶ月くらいして、また再度カプセルを飲んでもらいます。多い人は、4〜5回飲む人もいます。
アイソトープ治療の治療成績を教えてください。
わたしのバセドウ病のアイソトープ治療成績です。
バセドウ病のアイソトープ治療<152例>
わたしが野口病院勤務中にバセドウ病に対してアイソトープ治療を行った治療成績です。
計172例に対して治療しましたが、20例が経過を追えず、残り152例の治療成績を示します。
棒グラフ 潜在性甲状腺機能低下症とは、甲状腺機能低下症ですが甲状腺ホルモン剤を飲むほどでない軽いものです。
甲状腺機能低下症は、全員甲状腺ホルモン剤を服用されています。
10年以上のうち、3例が甲状腺機能亢進症で、まだ抗甲状腺剤を服用されていますが、このうち2例はアイソトープ治療の追加投与を拒否されている方です。
アイソトープ治療をすると、カプセルを1回飲むだけで治る人の割合はどれくらいですか?
わたしが、野口病院時代に治療した152例中、1回104例、2回35例、3回8例、4回3例、5回2例です。7割の方が、1回のアイソトープ治療で治っています。
アイソトープのカプセルの大きさと色を教えてください。
カプセルの大きさは、よこ2cm、たて0.6cmで、色が3種類あります。1mCi(ミリキューリー)が濃青色、3mCiが緑色、5mCiが黄色です。
アイソトープ治療をすると、なぜバセドウ病が治るのですか?
分かりやすく言えば、飲んだアイソトープが甲状腺だけに取り込まれて、放射線で焼いて小さくするわけです。甲状腺ホルモンを作る工場をこわすわけです。手術は甲状腺を切り取るわけですね。すると、工場(甲状腺)で出きる製品(甲状腺ホルモン)が減るということです。それで、バセドウ病を治すわけです。
アイソトープ治療の副作用を教えてください。
心配するような副作用はなにもありません。非常に安全な治療法です。癌や白血病、髪が抜けるなどの心配はありません。将来、妊娠しても奇形児が生まれることもありません。
若い人にアイソトープ治療をしても、大丈夫ですか?
将来妊娠可能な年齢の女性にアイソトープ治療を行っても、大丈夫です。しかし、アイソトープ治療後に6ヶ月間の避妊をしてもらわなければいけません。
何歳から、アイソトープ治療は可能ですか?
小児および思春期児童に対するアイソトープ治療後の経過については約1,000人での報告があるのみです。これらの研究では、甲状腺癌は増加していないと結論付けています。しかし、症例数が少ないために、少なくとも20歳未満の人にはアイソトープ治療は避けた方がいいでしょう。
アイソトープ治療の費用はどれ位ですか?
アイソトープ投与量にもよりますが、社保本人の方で自己負担は、2,310〜4,830円。社保家族・国保の方で自己負担は、3,470〜7,250円です。

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以下のページも参考にしてください。