甲状腺シンチという言葉を聞いたことがありますか?甲状腺の病気を診断する上で必要な検査です。ただ、甲状腺ホルモン検査や甲状腺自己抗体のように血液さえ採取すれば、どこでもできる検査と違い、特別な施設を必要とします。甲状腺シンチは、放射性同位元素を使う検査です。みなさんがよく耳にするのは、放射性ヨードです。甲状腺シンチ検査には、主に123I(放射性ヨード-123)が使用されます。131I(放射性ヨード-131)が使われることもあります。その他、テクネシウム(99mTc)やタリウム(201Tl)という放射性同位元素が使用されることもあります。未分化癌や悪性リンパ腫には、ガリウム(67Ga)という放射性同位元素が使用されます。
上記の放射性同位元素を投与して、一定時間後にガンマカメラという機械で甲状腺部分の撮影をします。甲状腺部に取り込まれた放射性同位元素をガンマカメラにあるコリメータという部分で測定して画像を撮影するわけです。この画像が、シンチと呼ばれるものです<注釈:正式には検査をシンチグラフィ、画像をシンチグラムといいますが、ここではどちらもシンチという言葉で表現します>。甲状腺のはたらきや形をみる検査です。
今回の患者情報では、甲状腺シンチに主に使われる放射性同位元素について説明します。 |