女・27歳
1999.02.07-10:07
先月の10日頃、41度の熱と湿疹、そしてリンパ腺の腫れ、及び白血球の減少で入院しました。Tapazol等バセドー病治療薬で、このような副作用が起こることもありますが、私の場合はもう2年半も服用していたので、その時に服用していた抗生物質の副作用だろうということでした。ただ、それがTapazolの副作用だという可能性もほんの僅かながらあることから、服用を中止するようにと主治医から言われ、ここ1ヶ月は飲んでいません。このまま再発しなければそれでいいけれど、再発したら、手術かアイソトープのどちらかを行うとの説明がありました。その場合、どちらかというと、アイソトープをすすめるとその時点で言われました。
1ヶ月たち、やはり頻脈、息切れ、体温の上昇を感じています。2月8日に主治医に診断を受けることになっていますが、もしどちらにするかという選択に話が及んだ場合のため、アドバイスを頂戴できませんでしょうか。
アイソトープはこちらでは日帰りで行うことができ、子供を胸にきつく抱いたりしなければ特にまわりに注意をはらうこともないし、将来妊娠しても全然問題はないといわれました。また、手術するとなると、入院しなければならないと思いますが、私は仕事柄途上国等への出張も多く、今の時点で7月までは完全にスケジュールが埋まっているので、日帰りでできる治療であるということには惹かれます。
ただ、日本の本を読むと、将来妊娠する予定の若い患者にはアイソトープはあまり行わないと書いてあり、少し心配になりました。私は将来さらに出産を希望しています。田尻先生のご見解をお聞かせ頂けますと大変ありがたいのですが。御忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
メルカゾールによる白血球減少症(顆粒球減少症)は服用開始2〜3ヶ月以内に、普通出ます。しかし、文献的には、数年間服用後に顆粒球減少症が出現したという報告がありますので、先生は心配してメルカゾールを中止されたのでしょう。正しい判断と思います。
日本では、今でも若い女性にアイソトープ治療を行うなうことにためらいを感じる先生もおられます。そのようなお考えの先生の書いた本でしょう。妊娠とバセドウ病の第一人者の先生にお伺いしましたが、妊娠可能な若い女性でも場合によっては(例えば、あなたのようにクスリで副作用が出て使えないとき)積極的に、アイソトープ治療をされているそうです(その先生との私信ですが)。わたしも、若い女性でクスリの副作用のため、別の治療を選択してもらうとき、手術が嫌ならアイソトープ治療を行っています。それは、アイソトープ治療の安全性が確立しているからです。
お話を聞くところでは、どうも症状は再発しているようですね。私の意見を言わせていただけるなら、アイソトープ治療が良いと思います。将来、妊娠の時も全く問題なく、外来で出来るという利点もあります。最大の欠点はアイソトープ治療後の甲状腺機能低下症ですが、これは甲状腺ホルモン剤を服用することで何の心配も要りません。ただ、アイソトープ治療後は6〜12ヶ月間の避妊を要します。これは、そちらの先生の指示に従ってください。バセドウ病のアイソトープ治療ついては、わたしのHPの次のページを参考にしてください。
●http://www.j-tajiri.or.jp/thyroid/illness/01a02.html
●http://www.j-tajiri.or.jp/source/patient/031/index.html
バセドウ病ついては、わたしのHPの次のページを参考にしてください。
●http://www.j-tajiri.or.jp/source/translation/a/04.html
●http://www.j-tajiri.or.jp/source/translation/b/04.html
●http://www.j-tajiri.or.jp/source/patient/002/01.html
●http://www.j-tajiri.or.jp/source/treatise/028/index.html
このBBSにもカリフォルニア在住で、最近アイソトープ治療を受けた22歳の女性がおられます。ゆかさんといいます。彼女のBBSでの体験談を読まれるとためになると思います。BBSのメッセージの検索のところで、名前に「ゆか」と入れて検索実行を押せば、ゆかさんの書き込みが出てきます。バックナンバーもありますので、そちらもチェックしてください。
多分、ゆかさんからの書き込みもあると思いますよ。体験者の話はためになりますよ。一緒に考えていきましょう。